難治性多発性硬化症で増加する腸内細菌種, 細菌代謝機能が宿主へ及ぼす影響の解明
Project/Area Number |
21J13692
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 52020:Neurology-related
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry (2022) Kyoto Prefectural University of Medicine (2021) |
Principal Investigator |
竹脇 大貴 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 免疫研究部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 多発性硬化症 / 腸内細菌 / メタゲノム解析 / 無菌マウス / 細菌鞭毛 / 腸内細菌叢 / ノトバイオートマウス / 実験的自己免疫性脳脊髄炎 |
Outline of Research at the Start |
多発性硬化症 (以下MS) 患者は, 症状の悪化と改善を繰り返す再発寛解型MSとして発症するが , 一部の患者は神経障害が蓄積していく二次進行型MSへと移行する. 本研究では動物モデルを用いることで, 二次進行型MSの糞便中で有意に増減している腸内細 菌種や細菌代謝機能が宿主に与える影響と, その機序を明らかにする.
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Outline of Annual Research Achievements |
申請書に記載の実験計画に基づき研究を実施した。軽症である再発・寛解型多発性硬化症(RRMS)患者と重症である二次進行型MS(SPMS)患者の腸内細菌叢の比較において、SPMS患者群で有意に増加し、患者神経障害度や脳萎縮度と強く相関する特定の腸内細菌種を同定した。次にSPMS患者の糞便検体から本菌種を嫌気チャンバーの中で単離培養し、無菌環境で飼育したMSのモデルマウスである実験的自己免疫性脳脊髄炎 (experimental autoimmune encephalomyelitis; EAE) に投与したところ、マウスの神経障害が顕著に悪化することが確認されると共に、炎症性であるT helper 17細胞が大腸と中枢神経において有意に増加していた。さらに、詳細なゲノム解析 (同種異株のゲノム比較) と免疫学的な検証実験 (in vitroでの菌液と免疫細胞との共培養実験) を組み合わせることで、当菌株が神経炎症を悪化させるメカニズムとして、細菌鞭毛が重要な役割を果たしている事を見出した。本研究は、MS患者の病気の進行に伴って増加する特定の腸内細菌が、病態に深く関わっていることを示しただけでなく、特定の腸内細菌を標的としたSPMSの全く新しい治療法の開発につながる成果であると期待される。当初の予定に概ね沿う形で研究を実施することができ、腸内細菌と神経炎症とをつなぐ新たな知見が得られてきている。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(14 results)