Project/Area Number |
21J13906
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 10040:Experimental psychology-related
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
中武 優子 東京理科大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
|
Project Status |
Declined (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Keywords | オキシトシン / 情動伝染 / 共感 / 島皮質 / ストレス / 社会的敗北 / うつ様行動 / マウス |
Outline of Research at the Start |
共感は社会生活を営む上で重要な機能であるが、他者の苦痛への過度な共感はPTSDや共感疲労など精神的不調の要因となりうる。共感を制御するオキシトシン(OT)神経系は、視床下部-下垂体-副腎系を抑制し、ストレスを緩和する。そのため、OT神経系は負情動への共感において、ストレスの影響の増強と緩和という2つの作用を併せ持つと想定される。OT神経系が共感とストレス緩和をもたらす機構の理解は様々な精神疾患の治療への貢献が期待されるが、その詳細は不明な点も多い。そこで本研究では、マウスを用いて他個体の社会的敗北場面の目撃と他個体との親和的接触とを組み合わせ、共感とストレス緩和を担うOT神経回路の解明を行う。
|
Outline of Annual Research Achievements |
同種他個体が攻撃を受ける社会的敗北場面を目撃させることで、マウスにストレスを負荷することが可能である。この社会的敗北の目撃によるストレス負荷の過程には、実際に攻撃を受けている個体に対する共感が作用していると考えられる。本年度は社会的敗北の目撃によるストレス伝達および後の情動行動の変化におけるオキシトシンの関与について検証した。まず、単回のストレス負荷後に、神経活動のマーカーであるc-Fosの免疫組織化学染色を行った。その結果、社会的敗北の目撃は島皮質前部内のc-Fos陽性細胞数を増加させたが、このような変化は実際に攻撃を受けたマウスでは観察されなかった。また、オキシトシン受容体の近傍に蛍光タンパク質tdTomatoを発現するOxtr-tdTomatoマウスを用いて、c-FosとtdTomatoの二重免疫組織化学染色を行った。その結果、社会的敗北の目撃は島皮質前部内のオキシトシン受容体発現細胞を活性化させることが判明した。そこで、島皮質前部にオキシトシン受容体阻害剤を局所投与したところ、目撃によるすくみ反応と血中コルチコステロン値の上昇がともに抑制された。一方、実際に攻撃を受けたマウスに同様の処置を行っても、上述の変化は抑制されなかった。さらに、Oxtr-iCreマウスの島皮質前部に、抑制性の光活性化タンパク質NpHRを導入できるAAVベクターを局所注入し、社会的敗北の目撃中にのみ黄色光を照射してオキシトシン受容体発現細胞の活動を抑制した。この操作を10日間繰り返したところ、社会性の低下やスクロース溶液に対する嗜好性の低下などのうつ様行動の発現が抑制された。これらのことから、島皮質内オキシトシン受容体発現細胞の活動が社会的敗北の目撃におけるストレス伝達を仲介し、後の情動行動の変化を導くことが示唆された。
|
Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
|