Project/Area Number |
21J14103
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 01070:Theory of art practice-related
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
林 いのり お茶の水女子大学, 人間文化創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2022: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2021: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | イタリア・オペラ / ジュゼッペ・ヴェルディ / シモン・ボッカネグラ / 歌唱旋律 / 楽曲分析 / 台本分析 / ヴェルディ / オペラ / 朗唱 / イタリア / 台本 / イタリア詩 |
Outline of Research at the Start |
G.ヴェルディ(1813-1901)の歌劇を対象とし、特に最晩年作品における歌唱旋律の記譜を分析し、ヴェルディによる「発話の音楽的な表象」の実態を明らかにすることを目的とする。 従来、歌唱旋律の研究では歌詞の韻律やテキストと音型の関係に焦点が当てられてきたが、本研究は「口調」のような、発話の音声面が持つ演出表現に焦点を当て、作品中全ての歌唱旋律を音楽的要素によって分類していく。また、歌唱がオーケストラパートや歌手の演奏(身体的な演技も含む)と合わさった時に生み出される「音」の演劇的な効果を検証し、ヴェルディによる音楽劇の特性を、新しい観点から論じることを試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き《シモン・ボッカネグラ》《オテッロ》、そして《ドン・カルロ》の楽曲分析および台本分析を行った。また、今年度はこれらの作品が初演された当時の批評や劇場史料の調査を重点的に行った。活動は、(1)楽曲分析・台本分析とその成果発表 (2)作品に関する史料調査(イタリア)に大別される。 (1) 2件の学会発表と1件の論文投稿を行った(論文は現在査読中)。6月の早稲田大学イタリア研究所イタリア言語・文化研究会の発表では、《オテッロ》における、A.ボーイトの詩における悪役の「悪性」の表象と、ヴェルディの音楽がそれをどのように反映しているかを提示した。《オテッロ》の台本における、ボーイトの「二元論」の投影はこれまでにも広く指摘されてきたが、それが音楽上でどのように再構築されているか、特に言葉と歌唱旋律の関係に焦点を当てたことが本研究の特色である。更に、キャラクターに類似性が指摘されてきた《シモン・ボッカネグラ》のパオロと、《オテッロ》のヤーゴについて、詩行上・音楽上の共通点と相違点を具体的に指摘した。8月には国際音楽学会のギリシャ大会(アテネ大学)にて個人発表を行い、《シモン・ボッカネグラ》と《オテッロ》《ドン・カルロ》に見られる、歌唱旋律音型によるキャラクターの「口調」の表現の分析結果を発表した。 (2)イタリアのミラノ、ヴェネツィアにて劇場史料や批評の調査を行った。特にミラノのスカラ座博物館史料室で19世紀当時のオーケストラや演出に関する貴重史料を閲覧したことと、リコルディ史料館にて自筆譜の調査を完成させたことが非常に大きな収穫であった。 これらの研究結果を博士論文にまとめ、2023年度に学位授与見込みである。また、現在査読中の論文投稿と、2023年7月開催の5th Transnational Opera Studies Conferenceでの発表に応募を行った(採択済)。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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