董其昌を中心とする明末清初画家の絵画制作と古典意識・鑑蔵活動
Project/Area Number |
21J14181
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 01060:History of arts-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
飛田 優樹 東京大学, 人文社会系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Project Status |
Declined (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2022: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2021: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 中国絵画 / 明末清初 / 董其昌 / 四王呉惲 / 文人画 / 南宗画 / 南北二宗論 / 画論 |
Outline of Research at the Start |
明末清初は経済的繁栄と政治的混迷を背景とした中国文化史上の爛熟期である。画壇においては絵画市場の活発化、個性的画家の登場、絵画史言説の再編、清朝正統派の確立などが見られ、その中心的役割を果たしたのが董其昌(1555~1636)である。本研究は董其昌の一生における画風と画論の形成や、彼の没後に後継者らが権威を確立していった過程を考察する。考察にあたっては、董其昌登場の前提となる当時の古画鑑賞の一般的状況や、宮廷の存在する北京と文化の先進地である江南という彼の二つの活動の場に注目し、絵画との関係を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度はまず、昨年度『美術史』に投稿した論文を査読者からの意見を踏まえ修正した。董其昌の作品に見られる古画の図様の借用に注目し、彼の実作と理論と古画鑑蔵の三者関係を論じた本論文は、『美術史』191号に掲載されることとなった。 次の課題として、申請時に計画した通り、董其昌の北京滞在時の活動に関する研究に着手した。まず董其昌自身の残した文章を現存する題跋、文集、著録などによって収集し、精緻に編年する作業を行なった。特に、彼が進士に及第して以降の最初の10年間について、官職の異動や地方への出張に注目しながら年表を作成し、絵画に関係するものを抜き出して各時期の傾向を分析した。こうした基礎的作業をもとに、彼が初めて北京に赴いた際、江南とは異なる絵画観や作品群に触れ、そのことが彼の理論の形成にどのような作用を及ぼしたのかを考察した。あわせて、これまで彼の作品を観察して判明した情報(各作品の表現の特質、古画との関係、資料としての信頼性等)を、文献の編年から復元した理論形成の過程と照合することで、董其昌の初期における画業と理論の関係を段階的に検討した。また、彼の前世代から同世代にかけての絵画批評や、明末北京の状況に関する研究を広く読むことで、董其昌登場の前提となる明末の文化的環境について理解を深めた。この成果は『美術史論叢』38号に発表した。 本年度は新型コロナウイルス感染症の影響で中国や台湾に渡航することは難しく、海外調査は断念せざるを得なかった。日本国内にある中国絵画にはジャンルの偏りがあるため、研究にとっては厳しい状況と言わざるを得ないが、国内で開催された展覧会には多く足を運ぶよう努めた。特に前後の時代の中国美術や、日本近世美術の展覧会は、いずれも本研究を東アジア美術史全体の中に位置づけることに役立つとともに、申請者の今後の研究の展開にとって有効なヒントを得る機会となった。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)