海底熱水鉱床の成因解明のための熱水流動シミュレーション法の開発と応用
Project/Area Number |
21J14739
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 31020:Earth resource engineering, Energy sciences-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
冨田 昇平 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 熱水流動シミュレーション / 反応輸送シミュレーション / 海底熱水鉱床 / 化学反応 / 鉱物沈殿 / 反応輸送解析 / 数値シミュレーション |
Outline of Research at the Start |
近未来の金属資源として、日本近海にも存在する海底熱水鉱床が注目を集めている。海底熱水鉱床の開発を現実化するためには,科学的な成因論に基づいて調査候補地を絞り込む方法を確立することが最も重要である。そこで本研究では、鉱物化を考慮した熱水流動シミュレーションを沖縄近海に存在する海底熱水鉱床に適用することにより、海底熱水鉱床の鉱物沈殿を引き起こす具体的な物理的・化学的条件の解明、および熱水活動のタイムスケールの定量評価を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
熱水鉱床の形成プロセスおよび形成条件を明らかにするのを目的として、温度検層・熱流束データ・掘削データ・噴出熱水および海水の化学組成などの調査データが豊富な沖縄トラフ伊是名海穴を対象に、反応輸送シミュレーションを適用した。反応輸送シミュレーションでは、熱と流体の流れ・溶質輸送・化学反応が考慮でき、鉱物の沈殿・溶解を定量的に評価することができる。 反応輸送シミュレーションによって海底熱水鉱床の形成プロセスを明らかにするためには、鉱床形成を引き起こす深部熱水の化学組成を明らかにする必要がある。しかしながら、海底下数kmの深部熱水を採取し化学組成を測定することは不可能であるため、地球化学計算による推定が必要である。そこで本研究では、深部熱水の化学組成を推定することを目的に、海水が海底下を流下して高温熱水となる過程を模した一次元反応・輸送シミュレーションを実施した。シミュレーションでは、対象領域内の非熱水地域で得られたボーリングデータに基づいて母岩の化学組成を与え、水・岩石反応を考慮することにより熱水の化学組成変化を再現した。シミュレーションの結果、水・岩石反応に伴う流体の化学組成変化が明らかとなり、海底下の深部熱水の化学組成を推定することができた。 次に、上記のシミュレーションで得られた深部熱水を境界条件として与え、熱水が深部から海底面に向かって上昇し、噴出する過程を模した一次元数値モデルを構築し、反応輸送シミュレーションを実施した。シミュレーションの結果、熱水の上昇に伴って圧力が低下し、海底面付近で沸騰が生じること、および沸騰に伴って二酸化炭素の脱ガスが生じ、それに付随してpHが上昇することが示された。また、pHの上昇に起因して、沸騰領域で金属成分を多量に含む硫化鉱物が急激に沈殿することが明らかとなり、沸騰が鉱床形成に重要な役割を果たしていることが分かった。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)