アンジオクラインファクターによる間葉上皮転換機構の解明と応用
Project/Area Number |
21J14797
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 50010:Tumor biology-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
犬飼 公一 大阪大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | Apelin-APJ系 / 転移 / Apelin-APJと癌転移能 |
Outline of Research at the Start |
上皮間葉転換(EMT)は癌において、浸潤や転移に重要な役割を果たす現象である。EMTにより遠隔臓器へ転移した癌細胞は,EMTとは逆の現象である間葉上皮転換(MET)を起こし、生着に関与するとされているが、EMTと比べMETは未解明な部分が多く残されている。 本研究では特にこのMET現象について、新たにアンジオクラインファクターと呼ばれる物質に着目し、その仕組みを明らかにする。また、これらの現象全体の理解を通して癌の浸潤・転移におけるメカニズムの解明や治療への応用を目指している。
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Outline of Annual Research Achievements |
数種類の癌細胞系においてApelin過剰発現細胞でコントロールと比べて転移が増加し、APJノックアウト細胞においては転移が減少するという結果がマウスの尾静注転移モデルにおいて確認された。また興味深いことにAPJノックアウト癌細胞はIn vitroにおいては増殖能が抑制され、浸潤能だけが亢進することが各癌細胞にて示された。このことは、Apelin-APJシステムが転移におけるEMTと関連していることを示唆するものであった。その中で最終年度、B16マウス悪性黒色腫の皮下移植モデルを解析したところ、APJノックアウトB16腫瘍とコントロールのB16腫瘍で、腫瘍体積に有意な差はなかったが、APJノックアウト腫瘍では血管密度が低下しているにも関わらず腫瘍のサイズが保たれることが明らかとなった。つまり、腫瘍血管新生以外の血流機構によって腫瘍成長を維持している可能性が高いと推定されたため、メラノーマなどに特有の病理学的現象である「血管模倣」に着目し、APJがこの血管模倣の生成に関与していることを実験的に証明した。次に、これらの形態変化は癌細胞のEMTによって誘導されているのではないかという仮説を検証した。結果、TGF-βの内在的な発現をリアルタイムPCRで確認すると、間葉系の形態を示すAPJノックアウト細胞で有意に上昇していた。また、代表的な間葉系のマーカーである転写因子Zeb1の顕著な上昇をAPJノックアウト細胞で認めた。このZeb1はアペリン過剰発現細胞においては著明に抑制されており、アペリンAPJ系とEMTを促進する転写因子であるZeb1の強い関連が示された。TGF-β受容体阻害剤を用いた上流のシグナル解析では、APJのシグナルはTGF-β/Smadシグナルとは独立したEMTシグナル伝達機構を有する可能性が示唆された。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)