Project/Area Number |
21J14857
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 15010:Theoretical studies related to particle-, nuclear-, cosmic ray and astro-physics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
林 拓未 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Project Status |
Declined (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | ブラックホール / 真空相転移 / トンネル効果 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、古典的な重力の熱力学を、半古典的な真空泡の生成過程を含めた形に拡張することである。重力の存在下において真空の相転移を考え、系全体の温度やエントロピーといった熱力学量を調べることで、重力中の真空泡生成と熱力学第二法則の整合性を検証し、ブラックホール周りの真空相転移に対して理論的な基礎づけを与える。 また、重力の量子効果に由来する、曲率の高次項を含めた有効理論において、相転移確率、熱力学的性質を調べる。特にヒッグス不安定性に伴う相転移を考え、偽真空の安定性を議論することで、曲率高次項及び量子重力理論への制限を与える。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、重力の存在下において半古典的な真空泡の生成過程を考え、ブラックホール周りの真空相転移に対して理論的な基礎づけを与えることであった。 そのために時空をユークリッド化せずに、直接実時間形式で相転移確率を調べるということに取り組んだ。一般にユークリッド化したブラックホール時空中では、量子場はホーキング温度の熱浴中にいるような状態となる(Hartle-Hawking state)。しかし、重力崩壊によりできたブラックホール中では、量子場はブラックホールから放出する向きの放射しか持つことが出来ない(Unruh state)。よって、先行研究の手法は理論的に不備があると指摘されていた。そこで実時間で量子力学的遷移振幅を、ローレンツ経路積分を直接計算することで、相転移現象を議論することを試みた。簡単のためまずブラックホールではなくドジッター宇宙中での真空泡の生成(Coleman-de Luccia相転移)を議論したところ、従来のユークリッド化による解析の結果を再現することに成功した。これにより、理論的基礎づけが曖昧だった重力中の真空相転移現象を、実時間的な観点から直接示すことが可能になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初はエントロピー増大という熱力学的な観点からブラックホールの真空相転移を議論しようと考えていたが、小さな確率であればエントロピーが減る過程も許されるということから、この方向性を修正することにした。むしろ熱的な相転移を量子力学的な真空泡の生成過程として捉え直すことを試みた。技術的な問題から、ブラックホール周りの相転移の解析にとりかかる前に、宇宙論的なドジッター時空中での相転移を議論している状況であった。
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Strategy for Future Research Activity |
ドジッター時空中での真空泡生成の結果を、ブラックホールに応用することが今後の方向性である。地平線の存在や時空の対称性の違いと言った微妙な問題に対処する必要がある。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)