Project/Area Number |
21J15268
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 59040:Nutrition science and health science-related
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
長崎 祐樹 岡山県立大学, 保健福祉学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 乳汁中脂質メディエーター / 乳汁栄養 / リピドミクス |
Outline of Research at the Start |
「胎児期や出生早期における栄養状態を含めた環境要因が発育後の健康状態や疾患感受性に影響をおよぼす」とするDOHaD学説より、乳児期の主要な栄養源である母乳の質は、成人期の健康状態に影響をおよぼすことが考えられる。本研究では、微量で強い生理活性を有する脂質メディエーターが、乳汁を介して次世代におよぼす影響の解明を目指す。これまでに、生体膜からの脂肪酸の遊離に関わる特定の酵素や脂質メディエーター合成系酵素の発現が乳腺の発達や乳汁の産生・分泌の増加と相関して変動することを見出しており、これらの酵素あるいは産生される脂質の乳汁栄養における意義の解明を行なっていく。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、乳汁中「脂質の質」に焦点を当て、乳汁栄養における生理活性脂質(脂質メディエーター)の意義を解明するものである。これまでに、乳腺の発達や泌乳量の増加に伴って乳房組織において発現量が上昇する生理活性脂質代謝関連酵素として、リン脂質からリゾリン脂質と脂肪酸を産生する細胞質型ホスホリパーゼA2(cPLA2)のサブタイプであるcPLA2ζを見出した。さらに、メスのcPLA2ζ欠損マウスでは野生型に比較して体重が軽いことを見出した。 本年度は、リコンビナントcPLA2ζを作製し、より詳細なin vitro酵素活性測定を行なった。その結果、不飽和脂肪酸を広く遊離する活性を有することが明らかとなった。リン脂質に対しては、ホスファチジルコリン(PC)に対するホスホリパーゼA2(PLA2)活性が最も高かったのに加え、多価不飽和脂肪酸含有リゾホスファチジルエタノールアミン(LPE)に対する一定のリゾホスホリパーゼ(LysoPLA)活性も有することが明らかとなった。さらに、マウス乳汁の搾乳方法と液体クロマトグラフィ質量分析計(LC-MS/MS)による脂質解析の方法を確立し、cPLA2ζ欠損マウスの乳汁を解析したところ、特定の乳汁中の脂質分子がcPLA2ζ欠損では野生型よりも減少していることを見出した。全身性の表現型と詳細な機序について、更なる検証が必要である。 また、本研究の基盤となった、ヒト母乳中と育児用調製粉乳の原料となるウシ生乳を比較することで明らかにしたヒト母乳中脂質の特徴と、ヒト乳腺炎において変化する特定の脂質メディエーターが乳腺炎の新規バイオマーカーとなる可能性について発表した(Nagasaki Y., Biochem. Biophys. Res. Commun., 2022)。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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