リンイリドによるスピロシクロプロパンの開裂続く環化反応の開発とアズレン類の合成
Project/Area Number |
21J15601
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 47010:Pharmaceutical chemistry and drug development sciences-related
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
大貫 悠太 富山大学, 医学薬学教育部, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | スピロシクロプロパン / リンイリド / 炭素環形成反応 / インダン / アズレン / 1-アザアズレン / ジヒドロインダノン |
Outline of Research at the Start |
医薬品や天然物などの有機化合物は,しばしば炭素環や複素環などの環状構造を中心的な骨格として含む。そのため,骨格構造を効率よく構築することは,複雑な有機化合物を化学合成によって安定的に供給するために必要不可欠である。本研究では,二つの環が一つの原子を共有した構造である,スピロ構造のシクロプロパンと,リンイリドとの反応性に注目し,炭素5員環化合物の新規合成反応を開発する。また, 開発した反応を応用し,医薬品や天然物の骨格として重要なアズレン類の効率よい合成を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、スピロシクロプロパンを用いる炭素環形成反応の開発と、それを利用した有用化合物の合成に取り組み、以下の研究成果を得た。 (1)リンイリドによるスピロシクロプロパンの開裂―環化反応の開発 6員環スピロシクロプロパンとリンイリドとの反応の基質一般性を、昨年度に検討し最適化した条件を用いて検討した。種々のシクロヘキサン‐1,3‐ジオン‐2‐スピロシクロプロパンと、安定リンイリドを酢酸エチル還流下で作用させることで、目的の1,2‐トランスジヒドロインダノンを32-87%の収率で得ることができた。反応機構を解析し、リンイリドはシクロプロパンを直接攻撃し開環させ、その後分子内Wittig反応が進行して環化体が得られることが示唆された。また、ジヒドロインダノンは臭化銅を用いて酸化処理することで、天然物や医薬品に中心骨格としてしばしば見られる4‐ヒドロキシインダンへと変換することができた。 (2)リンイリドによるスピロシクロプロパンの開裂―環化反応を用いたアズレンの合成 (1)の反応を7員環スピロシクロプロパンへと適用拡張し、医薬品や材料分子としての利用が期待される非ベンゼン系芳香族化合物アズレンの合成を試みた。はじめにシクロへプタン‐1,3‐ジオン‐2‐スピロシクロプロパンと安定リンイリドをクロロベンゼン還流下で作用させることで、種々のヘキサヒドロアズレノンを52-67%の収率で得た。続いて得られた環化体の酸化を検討した。7員環上のケトンを予めシリルエノールエーテルとし、2,3‐ジクロロ‐5,6‐ジシアノベンゾキノンで酸化した後に、脱シリル化することで4‐ヒドロキシアズレンを得ることに成功した。本手法は、従来のアズレン合成法にて主な原料であった高価で入手困難なトロポノイドを用いず、市販のシクロへプタン-1,3‐ジオンから5工程で種々の多置換アズレンを合成することができる。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)