Project/Area Number |
21J15792
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 44030:Plant molecular biology and physiology-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
磯田 珠奈子 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | ウキクサ / 花成誘導 / 植物間コミュニケーション |
Outline of Research at the Start |
淡水に生息する単子葉植物であるウキクサ植物は、雌しべと雄しべが異なるタイミングで成熟するため自家受粉が難しい。そのため、受粉の成功には周囲にある複数個体が開花していることが条件になる。そこでこの植物は花成個体が非花成個体に何らかの働きかけをして花成を誘導しているのではないかと考えた。ウキクサ植物はサリチル酸や安息香酸を培地に添加することにより花成が誘導されることが知られており、さらにGC-MS解析により安息香酸を分泌できるとわかっている。よって本研究ではこれらの化合物によって個体間で花成誘導を制御するようなコミュニケーションをしていると考え、その個体間花成制御機構を解明することを目的にする。
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Outline of Annual Research Achievements |
淡水性の単子葉類であるウキクサ植物は、水面が揺れることで個体同士がぶつかり合う、または昆虫が植物上を歩き回ることで受粉する。そのため、受粉効率を上げるためには近距離の複数個体が同時に開花する必要がある。よって、ウキクサ植物には花成個体が近隣の非花成個体を花成誘導するような、個体間花成誘導コミュニケーションがあるのではないかと考えた。 ウキクサ植物の一種であるW. hyalinaは、非花成誘導条件であっても花成個体と混合培養することで花成誘導された。さらにこの他個体による花成誘導は同種間だけではなく、アオウキクサとW. hyalinaといった他種間でも有効であることがわかった。また花成個体の培養培地のみで花成誘導できることから、ウキクサの花成個体が何らかの花成誘導物質を培地中に放出することで近傍の非花成個体を花成誘導するということが明らかとなった。花成誘導物質の特定には至らなかったものの、熱処理実験やODSカラムによる分画から、低分子の熱に強い化合物ではないかと予想している。 また、日本全国から採取したアオウキクサの株を用いて花成誘導性を評価したところ、株によって花成誘導性が大きく異なることがわかった。緯度との相関は見られなかったが、花成誘導物質の放出量は同種内であっても株によって差があると考えられる。 本研究はウキクサ植物の個体間花成誘導コミュニケーションとその生態学的な意義を明らかにする上で重要性が高い。花成誘導物質が特定されれば、化合物を介した新たな植物間コミュニケーション機構が明らかとなり、植物間相互作用に関する研究をさらに進めることが期待できる。さらに本研究ではウキクサ植物が種を超えて同じ花成誘導物質を使用している可能性が示唆された。このように近縁種が同時に開花する機構が保存されているということは進化的な意義を考える上でも非常に興味深い発見である。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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