中国地方道教史における扶鸞文化の革新的役割に関する学際的研究
Project/Area Number |
21K00052
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01020:Chinese philosophy, Indian philosophy and Buddhist philosophy-related
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Research Institution | Ibaraki Christian University |
Principal Investigator |
志賀 市子 茨城キリスト教大学, 文学部, 教授 (20295629)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
シッケタンツ エリック 國學院大學, 神道文化学部, 准教授 (10593204)
森 由利亜 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (30247259)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 扶鸞 / スピリットライティング / 鸞堂 / 啓示 / 道教 / 降筆 / 道士 / 鸞書 / 江朝宗 / 悟善社 / 青蓮教 / 先天道 / 同善社 / 閔一得 / 玉皇宮主 / 内丹 / 救世新教 / 経堂 / spirit writing / 江宗朝 / 扶鸞結社 / 中国道教 / 地方道教 / シャーマニズム / 降筆文献 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、「扶鸞」(ふらん)または「扶けい」と呼ばれる中国古来の降神術が、地方信仰にいかなる宗教的革新をもたらしたのかを問うものである。扶鸞文化は、道教経典に代表される、文字を神聖視する高位文化の伝統と結びついて発展してきた。と同時に、扶鸞は基層のシャーマニズムに起源をもち、神霊の身体への憑依や口述による霊的啓示、宣講や説唱といった民俗芸能とも親和性が高い霊的手段である。本研究では、扶鸞の書承伝統と口承伝統を媒介する性格に注目し、文献学と文化人類学的方法を組み合わせた研究方法により、書承と口承の相互作用の解明を試みる。さらに海外の研究グループと連携を図り、その成果を国内外に広く発信する。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は、研究グループ全体の活動としては、スピリットライティング(扶鸞)関係の英文書の読書会、また個々の活動として関連テーマによる海外調査や国際学会発表を行った。読書会では、1年間を通して中国のスピリットライティング研究における最新の研究成果である、フランスのVincent Goossaert氏の Making Gods Speak: The Ritual Production of Revelation in Chinese Religious History(Cambridge (Massachusetts) and London: Published by Harvard University Asia Center, Distributed by Harvard Univ. press, 2022の輪読兼合評会を3回行った。毎回1、2章を参加者で分担して内容を要約し、その新規性や疑問点について討論を行った。これにより参加者間でスピリットライティング研究の意義や課題を共有することができた。 個人ベースでは、志賀は8月7-14日に台湾で調査を行った。資料調査として世界宗教博物館所蔵の鸞書、とくに広東、香港で出版された版本を精査し、広東の鸞書出版と流通についての手がかりを探った。現地調査では台湾南部の鸞堂を調査し、主に鸞堂における女性信者(鸞手、経生)の位置づけや役割についてインタビューを行った。森は清朝期の『金華宗旨』について、その思想内容の由来を検討した学会発表を行った。同じく清朝期の湖州金蓋山で活躍した道士閔一得が収集・刊行した『呂祖師三尼醫世説述』の成書に関する論文を発表した。いずれも扶鸞を通した呂祖の内丹思想に関する研究である。シッケタンツは引き続き民国期中国の政治状況と宗教についての調査研究を進め、関連する研究発表を国内外で行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、3回の読書会を行うことで研究課題をめぐる問題意識を共有することができた。また、個人ベースでも関連するテーマで海外調査や国際学会発表を実施ことができた。さらに最終年度に開催する国際学会の準備にも着手し、現在のところおおむね順調に進展している。会議に参加する発表者の発表内容もほぼ決定し、発表論文の執筆が進められている。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度の令和6年12月7日に國學院大學において国際会議「スピリット・ライティング(spirit-writing)をめぐる中国宗教と社会:明清期から民国期を中心に」を開催する予定で現在準備を進めている。海外からは中国、台湾、アメリカ、フランスから6名を招聘する。8月と10月には日本側のプレ発表会を行う予定である。発表論文の年度内の出版はむずかしいが、今後日本または台湾での出版を考えている。
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Report
(3 results)
Research Products
(24 results)