アジアの女子教育におけるフランス系修道会のSaint Enfance概念の影響
Project/Area Number |
21K00071
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01030:Religious studies-related
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Research Institution | Shirayuri University |
Principal Investigator |
佐々木 裕子 白百合女子大学, 基礎教育センター, 教授 (60286888)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遊佐 重樹 仙台白百合女子大学, 人間学部, 教授 (10285679)
市川 誠 立教大学, 文学部, 教授 (60308088)
大迫 章史 東北学院大学, 教養学部, 教授 (60382686)
坂野 正則 上智大学, 文学部, 教授 (90613406)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 修道会 / 女子教育 / 社会福祉 / カトリシズム / 宗教教育 / 宣教会 / 孤児院 / 福祉と教育 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、日本の女子教育の中でもカトリシズムの女子修道会における教育について、アジアの視点からの比較研究を試みるものである。同じ修道会が始めた教育事業であっても、国によって発展の仕方が異なっている。修道会のその派遣国であるフランスと、派遣先である日本やアジア諸国の中でそれがどのような変容や土着化を遂げたかについて、saint enfance というフランスの運動の影響を通して検討を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に続き、海外調査の実施が難しくなっていたため、本研究の中心に据えられていた海外大学や関連等における文献調査及び現地研究者との資料すり合わせなどが不可能となっている。特にこの分野における面接調査の対象者たちが高齢であることから、国内施設においても感染防止上、面談が不可能であったことに加え、ICTや各種通信技術を用いた調査にも限界があるため、その部分における進展が少なかったのは残念であった。 本研究では、近代以降、日本をはじめアジアの諸地域に入ってきたカトリシズムの宣教会及びその影響下で教育事業を展開したフランス系修道会が、ある意味、あまり意識せずに当初から導入することとなったsaint enfanceの概念をその教育の特徴として検討することを目的としているが、今年は文献研究の比較等により、近代における女子教育を担った層が、この概念により、社会課題としての諸問題をおのずとその教育の中に取り込むこととなったことが明確になってきた。また、様々なところで盛んに論じられている現代社会の学力観・人間観の変遷であるが、アジア地域においてsaint enfance の概念及び運動のもと、女子教育の中で果たしてきた役割及びその影響がもたらした変化が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
今年度も新型コロナウイルス感染拡大が収まらなかったため、本研究のベースとなっていた研究対象国への渡航及び調査の実施が不可能となった。国内のヒアリング調査についても、調査先が当時のことを知る高齢者中心の施設であることなどから、感染防止のため面談が許されず、対面での調査や資料内容確認が不可能となった。関係資料については整理を実施したが、こちらも作業のためのアルバイトとの対面による共同作業が不可能となった。アジアの中でこの研究分野において当初から中心的役割を果たしてきた諸地域の関係施設や大学とのコンタクトが社会情勢によって困難になっていることから、日本の資料と現地の資料の付け合わせができない状態となっている。 一方、現在、これに関する各種資料を有しているフィリピンの研究者との協力は会議システムなどを用いて何度かにわたり実施され、現在も現地大学の研究者から提案された研究との協働を検討・模索中である。しかしながら現地の資料保存状態の課題もあり、実地調査が必要であることから、今年度は、現地の研究者との今後の研究上の協力関係について修正計画の策定を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度も引き続き、海外の研究協力者の在住地域における新型コロナウイルス感染対策及び医療環境が十分でなかったため、海外渡航調査は断念せざるを得なかった。しかしながら、今年度春よりの政府の規制の緩和に伴い、現地との確認を行いつつ、現地大学の共同研究者と共に調査の可能性を探る計画である。特に国内の調査対象者である関係者はかなりの高齢となっており、昨年度は面会等が許されない状況であったが、今年度は当該施設と十分に調整して実施予定である。資料のデジタル化に関する作業については、アルバイトの対面作業も平常に戻る予定であるため、文献資料整理、アーカイブ化への準備作業を中心に実施予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)