新型コロナウィルス感染拡大下のキリスト教礼拝についての研究
Project/Area Number |
21K00076
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01030:Religious studies-related
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
関谷 直人 同志社大学, 神学部, 教授 (80288597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 喜基 同志社大学, キリスト教文化センター, 准教授 (60794063)
木谷 佳楠 同志社大学, 神学部, 准教授 (70707166)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | コロナ / 礼拝 / オンライン / キリスト教 / 宣教 / グランデッド・セオリー / UCC / 教会 / オンライン礼拝 / zoom礼拝 / グランデッドセオリー / コロナウィルス / リモート |
Outline of Research at the Start |
本研究はコロナウィルスの感染拡大に伴って、日本のキリスト教会における礼拝実践が感染拡大以前と比してどのように変化したのかについて検証を行い、それが信仰共同体に与える影響について考察を行う。そのことを通してこの「危機的状況」が日本の教会に与えたインパクトを検証し、またそこから広く「ポストコロナ時代」における宗教実践についての可能性を研究するものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は世界規模のコロナウィルス感染拡大に伴って、日本キリスト教団をはじめとする日本の各個キリスト教会が、その伝道(宣教・奉仕・教育)スタイルをどのように変化させていったのかについての研究である。研究方法は量的・質的方法の両方を採用し、郵送とオンラインによるアンケート形式のデータ収集・分析と、牧師や信徒への直接的なインタビューによって得られた逐語記録に対するグランデッド・セオリーの手法を用いた分析を行う。 2年目となる本年度においては、一つには量的調査に必要となるアンケート調査の策定を、米国でコロナウィルスの感染拡大により、様々な形で教会の運営に大きな影響を受けた教会が、その事態にどのように対応したのかを知るために米国のUnited Church of Christ(UCC)が実施した調査を詳細に検討して行った。また、調査を迅速かつ調査対象者が回答する際の利便性などの観点から、オンラインによるアンケートの方法についても検討し、実際の運用試験を行った。最終年度に向けたこうした準備は確実なデータ収集のために不可欠であった。 複数回行った、専門家を招いてのグランデッド・セオリーについての講習会は、本研究の質的研究の方法論そのものであり、質的方法による調査の確度をあげるために必要なプロセスである。これは最終年度のインタビューに対する分析がスムーズに行われるために重要な意味をもっていた。 日本キリスト教団東北教区で行った講演については、本研究で扱うコロナウィルス感染拡大による影響の重要なものの一つとしてあげることのできる牧師のストレス、ならびにそれに起因するハラスメントについて取り上げた。そこで得られたフロアからのレスポンスは本研究を進めて行く上で貴重な材料となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は量的・質的両面の調査方法によってデータ収集ならびに分析を行っているが、まず本研究で採用している質的研究法であるグランデッド・セオリーについて、実際の運用法の研究を行った。そのためにまず、7月25日にZoomによる研究会を鹿児島大学大学部法文学人文学科の平田祐太朗准教授を交えて行った。また10月17日には同志社大学人文科学研究所部門研究会「会衆派教会とは何か」10月定例研究会に相乗りする形で、同じく平田祐太朗准教授を中心として研究を行った。 この数年来のコロナウィルス感染拡大下の教会が抱える重大な課題の一つとして、そうした「ストレス下」にさらされている教会員と牧師によるハラスメントが注目されているが、本研究を踏まえる形で、11月23日に東北教区センターエマオにおいて開催された日本キリスト教団東北教区「教会とハラスメント」研修実行委員会主催の「教会とハラスメント」研修会において講演並びに質疑を行った。基本的に毎週木曜日には共同研究者との定例のミーティングを持ち、意見交換を継続的に行った。 また、量的調査については、米国United Church of Christによる「コロナ下における教会の宣教」に関するアンケート調査をひな形とし、日本の教会に適合する形で改変を加えたものを作成した。 最終年度の調査結果との対照群とする予定であるUCCの諸教会が、コロナウィルス感染が一段落した後にどのように対応したのかについて、主にオンラインで掲載されているデータを中心として調査・検討を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
この間に日本国内のコロナウィルス感染状況が収束方向に向かったために、多くの教会が礼拝の形式を通常の対面に戻したた。それに連動して調査の方向もコロナ下における教会活動に限定せずに、そこへの調査を中心としつつも、コロナ後の教会運営についてを含んだものにならざるを得なくなった。そのために、当初検討・準備をしていた質問様式も大幅な変更を余技なくされたが、今年度中に郵送による調査書の発送準備とオンラインによるアンケート調査フォームが概ね完成したので、6月中に調査書の全国発送を行う予定である。それと並行してこの数年困難であった、現場の牧師への対面による聞き取り調査を行う。前者の調査結果の量的分析については、夏までに実施することとし、秋以降にグランデッド・セオリーによるインタビュー調査結果の質的分析を行う予定である。 研究成果については、現時点では同志社大学のアメリカ研究所の紀要である『同志社アメリカ研究』第60号か、同志社大学社会問題研究会の紀要において発表予定である。また、オリジナルのWebサイトを立ち上げて、得られたデータについては個人情報に配慮しつつ、できる限り広く調査結果を利用してもらえるような形で公開したいと考えている。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)