国際的な比較を踏まえた日本演劇とメディアをめぐる総合的研究
Project/Area Number |
21K00121
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01050:Aesthetics and art studies-related
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
児玉 竜一 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (10277783)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 歌舞伎 / 演劇雑誌 / 演劇の記録映像 / 歌舞伎映画 / 演劇写真 / 日本演劇 / メディア / 映像記録 |
Outline of Research at the Start |
歌舞伎をはじめとする、近代日本の商業演劇全般に関する画像・音声・映像を記録したメディア全般の総合的な研究の、集大成をめざす。 演劇は、上演とともに消えてしまう宿命をもつが、雑誌・写真(ブロマイド)・レコード・映像などによって、多くの記録を残してきた。本研究では、それらをできるだけ網羅的に把握することで、過去の演劇史をより具体的な形で振り返ることを可能としたい。演劇雑誌の細目の網羅化、掲載写真のリスト化、それによって写真資料の考証も可能になる。 また、演劇雑誌や写真、記録映像における海外からの影響関係を検証し、海外での記録の所在についての横断的な調査研究を試みたい。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、歌舞伎とメディアの関係について林又一郎旧蔵フィルムの整理・考証と、その公開に貢献した。1920年代から30年代を中心とする戦前の上方歌舞伎の舞台と俳優の日常を記録した貴重なフィルムを、年代考証と人物特定、フィルムの価値自体の位置づけなどを、同時代の新聞雑誌等による証言と突き合わせ、また諸芸能の研究成果を参照して人物写真を収集博覧することで特定をおこなった。それらの調査成果を、国立フィルムアーカイブにおける上映会での2時間におよぶ解説、歌舞伎学会における2時間半におよぶ解説と公開対談等によって公表した。 また、国際的な比較にもとづく演劇とメディアの関係については、早稲田大学とバーミンガム大学を中核とした国際シェイクスピア研究集会における招聘講演において、17世紀から18世紀にかけての歌舞伎上演と、シェイクスピア上演との類似性について触れた。これによって演劇資料にもとづく上演研究の方法をめぐって、シェイクスピア研究者との間での交流を密にして、今後の協力および対話に道をひらくこととなった。 さらに、同時代の演劇をめぐるメディア環境を歴史的に考察しながら記録する試みとして、日本で最も歴史ある演劇雑誌「演劇界」の休刊を機に、その内容を継続する雑誌メディアの存続に関わりつつ、劇界の日録単位の記録を残し続ける方策についての試案を連載継続した。同時に、「SNS時代の歌舞伎研究と批評」をめぐる座談会を学会誌に掲載したほか、「演劇の映像配信をめぐって―松竹・NTライブの事例から」と題する座談会において日英双方の事例紹介をつなぎつつ、演劇の映像資料の歴史性について言及、報告書にまとめるを得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍の状況によって、いまだ海外渡航が自由になっているとは言い難い環境にあり、その点での進展を期したいと考えている。2023年度は海外からの招聘案件もいくつかあり、いずれも新しい研究課題への進展が期待できるので、そこへ向けての調査研究を重ねたい。
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Strategy for Future Research Activity |
海外の研究者との対話においては、ZOOMを活用して同時通訳を入れた座談会等がきわめて有益であること再確認した。日本演劇の研究者は必ずしも英会話に堪能ではないので、海外の日本演劇研究者との連携は日本語で成り立つが、隣接分野との研究者との学際研究においては、ZOOM環境の利活用をはじめ、コロナ禍を経たからこその経験を活用できるようにも思われる。2023年度には、海外のシェイクスピア研究者や、演出家との対話を通して、研究方法の再確認や再認識を研究に組み入れてゆく予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(15 results)