Project/Area Number |
21K00127
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01050:Aesthetics and art studies-related
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Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
塚原 康子 東京藝術大学, 音楽学部, 教授 (60202181)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 海軍軍楽隊 / 陸軍軍楽隊 / 東京音楽学校 / 昭憲皇太后 / 軍楽隊 / 陸海軍 / 管楽器 / 留学生 / 近代日本音楽史 / 楽器 / 教則本 / 楽譜 / パリ音楽院 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、日本の西洋音楽拠点の一つであった陸海軍楽隊の創設期にあたる幕末・明治期の状況を詳細に解明することを目的とする。21世紀に入り、陸海軍の公文書はアジア歴史資料センターで公開され、19世紀ヨーロッパで刊行された楽譜・教則本の多くもウェブ上で利用可能となった。本研究はこうした現在の資料公開状況を生かし解題付き史料集をまとめ、明治期の陸軍軍楽隊の活動状況を主に楽器・楽譜・教則本と人的側面から明らかにする。併せて、軍楽隊員のキャリアに対する近年の関心の高まりに応えるため、2005~2006年度科研で作成し公開した「陸海軍軍楽隊在籍者データベース」を増補改訂し、今後の軍楽隊研究の基礎資料とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、海軍・陸軍軍楽隊データベースおよび東京音楽学校データベースの改訂作業を引続き行い、年度末に3つのデータベースの改訂版を東京藝術大学楽理科公式ホームページ「研究関連情報」上に公開した。近年、これらのデータベースを用いた研究も散見されるようになり、近代日本音楽研究において一定の役割を果たしているといえる。データを追加・修正し検索の利便性を高めた改訂版の公開によって、データベース利用者がさらに増えることを期待したい。 陸海軍の軍楽隊に関する研究成果は、2023年10月8日に行われた富岡製糸場行啓150周年記念講演「昭憲皇太后と音楽とのかかわり」でも発表した。その過程で、宮中での軍楽隊の初演奏は明治6年9月8日の国賓イタリア皇甥ゼーン公との午餐会における海軍軍楽隊ではなく、同年5月30日小御所での天皇・皇后・皇太后と山階宮晃親王との御会食における陸軍軍楽隊であったことが『昭憲皇太后実録』から判明した。また、皇后は海軍の艦隊操練・進水式や陸軍の近衛諸隊演習などにも行啓しており(天皇と同道の場合も、代行した場合もあり)、そこでも陸海軍軍楽隊の演奏に接する機会があったこともわかった。一般には、東京女子師範学校・華族女学校への行啓と御歌下賜、生徒からの唱歌披露、英照皇太后との能楽鑑賞の事績などがよく知られる皇后だが、陸海軍軍楽隊とも意外な接点があったことになる。近代に軍楽隊が果たした役割については、一般読者向けに刊行された『ビジュアル 日本の音楽の歴史 ③近代~現代』でも、多くの図版とともに概要を記述した。 なお、データベースの改訂・公開に当初の想定より時間を要したため、事業期間延長を申請し、最終報告書は2024年度に刊行する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データベース改訂作業は当初予定より遅れたが、2023年度内に終了させた。最終年度は残る報告書の作成に専念し、計画通り完成させることができると見込まれるため。
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Strategy for Future Research Activity |
データベースの改訂・公開作業を終えたので、報告書作成に注力する。
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