川端文学におけるアダプテーションの考察―活字から舞台・映像への翻案
Project/Area Number |
21K00197
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01070:Theory of art practice-related
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Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
福田 淳子 昭和女子大学, 人間社会学部, 教授 (70218923)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
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Keywords | 川端康成 / 文学 / 映画 / テレビドラマ / 演劇 / オペラ / エンターテインメント / アダプテーション / 舞台化 / 映像化 |
Outline of Research at the Start |
川端康成作品は、昭和初期から現在に至るまで、映画・テレビドラマ・演劇・オペラなど多様なジャンルにわたってアダプテーションがなされ、エンターテインメントとして人々に受け入れられてきた。しかし川端原作の映画以外への翻案・脚色を含めた体系的な研究はあまり進んでいない。川端は純文学作家と位置づけられながらも、作品は早い時期からエンターテインメントとして社会に組み込まれ、商業的にも様々な形で利用されてきた。本研究では、川端作品を原作・原案とする映画・テレビドラマ・舞台作品を具体的事例として、アダプテーションされた文学作品が、エンターテインメントとしてどのような意味を持つのかを明らかにしていく。
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Outline of Annual Research Achievements |
2年目にあたる2022年度の計画は、当初はパリやベルギーなど海外での調査を視野に入れていたが、コロナ禍の影響により、国内で可能な調査・研究活動に留めざるを得なかった。初年度の調査活動を引き継ぎながら、発展的な結果が得られるよう努めた。具体的には、昭和女子大学近代文化研究所発行ブックレット17の刊行に向けての調査・研究を中心に据え、学会発表、社会活動(講演)、その他を行った。 ブックレットについては、対象作品を『伊豆の踊子』に絞り、映像作品のチェックやテレビドラマ・新派劇・ラジオドラマ等の台本・パンフレット・筋書き等の確認を所蔵施設で行った。 学会発表として、8月19日に開催された川端康成学会(日本学術会議協力学術団体)第38回大会 川端康成没後50周年記念国際シンポジウムの企画・運営を担当、および特集「川端文学の21世紀―アダプテーションの地平―」において「川端作品の翻案―エンターテインメント性を考える」のタイトルで発表し、司会も務めた。 社会活動として、9月3日におもちゃ映画ミュージアム(一般社団法人京都映画芸術文化研究所)において、川端康成没後五〇年企画として講演と映画上映会を開催、「川端康成「伊豆の踊子」とその映画化」のタイトルで講演し、国立映画アーカイブ所蔵『戀の花咲く伊豆の踊子』の映画上映と上映後解説を行った。 その他として、2023年1月29日に川端康成の短篇小説「片腕」をオマージュしたリーディング・パフォーマンス『頬づえ』他を鑑賞(藝術工場◎カナリヤ条約(大阪市住之江区北加賀屋))、後日演出家にメールでインタビューを行った。また2月5日にはジャパン・ソサエティー(ニューヨーク)との国際共同委嘱による芥川龍之介『或旧友へ送る手記』『点鬼簿』をベースにした新作オペラ『note to a friend』を鑑賞、演出家笈田ヨシに短い時間だったが話を聞くことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルスの影響により、国内外の調査に制限があった。そのため都内の施設での調査を中心に、テレビドラマ・新派劇・ラジオドラマ等の台本・パンフレット・筋書き等の確認を行った。台本については複写厳禁のものが多いため、手書きやパソコン入力での対応が求められる。時間を要する作業ではあるが、学会発表やブックレットの執筆に結びつけることができたため、「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の調査で、川端作品からの翻案は200作品以上(再演・リメイク等を含む)にのぼることが明らかになり、全ての作品をチェックするにはかなりの時間を要することが確認できた。単独での調査を予定していたが困難であるため、今後はアルバイトの採用や研究協力者を探すことも視野に入れたい。また、コロナ禍の影響で遅れている海外での調査については、実現する方向で進めたい。場合によっては期間延長も視野に入れて計画したい。 最終年度の成果として、昨年度から手がけているブックレット『川端康成におけるアダプテーション―「伊豆の踊子」におけるエンターテインメント性』(仮題)を本年中に刊行し、併せてシンポジウムなどの公開イベントを開催する予定である。 また、茨木市立川端康成文学館が主催する2023年度川端康成文学館文学講座(前期)において、7月に「川端康成と囲碁―小説『名人』を中心に―」のタイトルで講座を担当する予定である。研究テーマを意識した内容を盛り込んでいきたい。 川端原作のアダプテーション作品が多くある中でも、複数のジャンルにわたって複数のアダプテーションが行われている「伊豆の踊子」は、テーマに沿った研究対象として最適な作品であると判断し、ブックレットの中心に据えた。同様に、複数のアダプテーションがある「雪国」「眠れる美女」についても、できる限り調査・考察を進めて行きたい。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)