Project/Area Number |
21K00215
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01070:Theory of art practice-related
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Research Institution | Nagoya City University (2023) Osaka Metropolitan University (2022) Osaka City University (2021) |
Principal Investigator |
石川 優 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 准教授 (80725036)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | ポピュラー文化 / アダプテーション / パロディ / 二次創作 / メディアミックス |
Outline of Research at the Start |
近年、マンガをはじめとするポピュラー文化では、「テクストの語り直し」としてのアダプテーションが活発におこなわれる。本研究では、批評や諧謔を描く「パロディ」、ファンによる自主的な創作である「二次創作」、企業による広告戦略である「メディアミックス」という3つに着目し、それらの表現構造と相互の関係構造を間メディア的に分析することで、ポピュラー文化におけるアダプテーションの生成力学を考察する。具体的には、三者の重層性が広く顕在化する1980年代前後の動向に焦点を当て、文学理論とポピュラー文化研究を架橋させることで、ポピュラー文化でアダプテーションが生み出される力学を実証的および理論的に検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
近年、日本のポピュラー文化では「テクストの語り直し」としてのアダプテーションが頻繁におこなわれている。本研究は、批評と諧謔を主眼とする「パロディ」、ファンによる自主的な創作である「二次創作」、企業によるメディア広告戦略である「メディアミックス」という重なりつつも異なる文化実践を「アダプテーション」として包括し、それぞれの表現構造と相互作用を分析するものである。 2023年度は資料調査とその分析に研究活動の重点を置き、(1)日本の商業マンガに見られるパロディとメディアミックスに関する資料調査、(2)二次創作にあらわれる物語の特徴とその類型化、(3)上記(1)(2)を総合したアダプテーション文化の検討をおこなった。また過年度より継続して、(4)英語圏におけるトランスメディア・ストーリーテリング、シリアル・ナラティブに関する先行理論を調査した。 2023年度は代表者の所属機関の移動に伴い研究環境の整備に時間を要したが、(1)については集中的に調査することで、1980年代前後のメディアミックスの広がりを通時的に示す資料を確認できた。(2)と(3)に関しては、これまで収集した二次創作に関する事例から、キャラクターへのまなざしを基点としたアダプテーションの様態を考察し、その成果を口頭で発表した(2023年6月)。また、(1)の調査から得られた資料、(2)と(3)の事例分析から確立した方法論、(4)の先行研究から得られたメディア理論に関する知見を踏まえ、1990年代から2000年代にかけての商業マンガのジャンルの動きを分析し、論考を公表した(2023年9月)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
代表者が所属機関を移動したことで研究環境の整備に時間がかかり、十分な研究時間を確保できなかった。そのため、新型コロナウイルス感染症の影響によって生じていた当初の研究計画の遅れを取り戻すことができず、補助事業期間の延長承認を申請し、お認めいただいた。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度までに資料調査はほぼ完了することができたため、2024年度は国立国会図書館(東京)、大阪府立中央図書館国際児童文学館(大阪)、京都国際マンガミュージアム(京都)にて若干の追加調査をおこない、データを補完・強化する。一連の研究成果を論文としてまとめ、研究計画を滞りなく遂行できるよう努める。
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