Wasan and its Mathematical Astronomy Studies; Seki Takakazu and his Successors
Project/Area Number |
21K00250
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01080:Sociology of science, history of science and technology-related
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
城地 茂 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (00571283)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 戸板保佑 / 乗除通変算宝 / 関 孝和 / 楊輝算法 / 和算 / 暦学 / 天文学 / 関孝和 |
Outline of Research at the Start |
渋川景佑(1787-1856)の新たな暦書群と『時憲暦』との比較を試みる予定である。これも一定方向からの考察では不可能であり、双方向からの比較を加えることによって求まる可能性がある。なお、日本科学史学会年会に参加し、申請者の仮説に対する意見交換を行う予定である。 国会図書館、国立公文書館、日本学士院に赴き、文献資料の整理、二次文献の整理を行いながら、8月下旬から9月上旬に京都大学数理解析研究所で研究集会に参加し、復活したであろう世界各地の研究者と意見を交わすとともに、自らも口頭発表する。ここでの発表は、研究所紀要として出版する予定である。
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Outline of Annual Research Achievements |
昨年度は、関孝和(1645?-1708)の『楊輝算法』写本と、新たな発見である戸板保佑(1708-1784)の『乗除通変算宝』(写本、1780年、実は『楊輝算法』)の比較を行った。これは、天文学者でもあり、和算家でもあった戸板を関孝和の後継としてとらえたためである。 その結果、1、朝鮮復刻版(版本)と同じ順番。2、中田高寛写本(1773年ごろ)にある誤植の部分が、校正前の順番。3、六六陰図では、朝鮮版本(楊輝、1275年; 1378年)でも間違えている部分は間違えたままである。以上の考察より、戸板保佑『乗除通変算宝』本では誤りに気が付いていなかったように思える。『楊輝算法』では、朝鮮復刻本?と関孝和の校訂本(中田高寛本)の最低2種類が存在したと考えるべきだろう。 このうち朝鮮復刻版(版本)と同じものは全部で8本あるが、ほぼ同じように乱丁がある。また、主な写本としては、(1)富山県・射水市新湊博物館高樹文庫(2)日本学士院本(3)中国・自然科学史研究所本『中国科学技術典籍通彙』(郭書春(主編)5巻)に所収(4)中国・浙江省立図書館本(5)広島県・安芸高田市歴史民俗博物館本(6)早稲田大学小倉文庫本(7)薮内清(1906-2000)所蔵本(京都大学?)中田高寛本を薮内清が蔵書としていたもの(8)静嘉堂文庫本。朝鮮重刊本を毛晋(1598-1652)が写本。宜稼堂叢書になったか?(9)台湾・国立故宮博物院図書文献館本。毛晋が『宛委別蔵』(嘉慶(在位1796年-1820年)初年)としたもの。宜稼堂叢書になったか?(10)中国・自然科学史研究所蔵書『諸家算法』から『続古摘奇算法』を取出。巻上と巻下の各一部分が『知不足斎叢書』に(11)韓国・延世大学校学術情報院本(不詳)(12)韓国・緑雨堂本。これに(13)『乗除通変算宝』本として記載すべきものとして存在している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍での国内調査では、関孝和の写本の原本を所蔵している富山県・射水市新湊博物館本を調査した。石黒信由(1760-1837)の所蔵する『楊輝算法』(楊輝、1275年、伝・関孝和写本)が、実はその師である中田高寛(1739-1802)の再写本(あるいは再々写本)によるものであることが確認された。これは、1773年、富山藩主・前田利与(1737-1794)、としとも)にしたがって江戸に行き、藤田貞資(1734-1807)、さだすけ)について学んだことと合わせると、藤田貞資の蔵書(散逸)によるものと推定される。 一方、『関算四伝書』(『関算四伝書』(戸板保佑(編)、1780年)のうち「関算後伝」93に『乗除通変算宝』 (以下、乗除通変算宝本と呼称)がある。全20丁に表紙付きである 。「乗除通変算宝」3巻 、「続古摘奇算法」2巻、「田畝比類乗除捷法」2巻である。つまり、これは『楊輝算法』の抜粋なのである。『乗除通変算宝』が全体の題名になっていることは、韓国の大学校 でもあることである。日本の大学では『楊輝算法』(朝鮮版本)の別名としてもよく見られている 。これは、1755年6月に山路主住(1704-1772) に師事し、関流の算術を学んだことから、山路蔵書ではないかと考えられる。なお、1777年に、戸板は山路之徽(1729-1778)より印可免許を受けている。 この両者を比較した結果、この時代までに、少なくとも2種類の写本が存在したことが分かる。しかしながら、戸板は『楊輝算法』(朝鮮版本)にある乱丁に気づいていなかったように思える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として、まだ続いているコロナ禍の影響では、欧米で意見の交換は物理的に難しくなって来ている。そこで、欧米での意見交換には、ネット通信を多用して行きたい。今後の発表には欧米だけではなく、比較的近くて安全なアジアでの発表も目指して行きたい。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)