19世紀日本文学史における仮名垣魯文の史的位置に関する研究
Project/Area Number |
21K00287
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02010:Japanese literature-related
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Research Institution | Otsuma Women's University |
Principal Investigator |
高木 元 大妻女子大学, 文学部, 教授 (00226747)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | 仮名垣魯文 / 鈍亭魯文 / 19世紀文学史 / 近世日本文学史 / 近代日本文学史 / 19世紀日本文学史 |
Outline of Research at the Start |
仮名垣魯文に関する研究は、近代文学の濫觴と見做された『安愚楽鍋』などの小説に集中してきた。しかし、魯文が書き遺したテキストは雑多な非文学的なものが圧倒的に多く、これらの網羅的な蒐集と整理とが不可欠である。本研究の最終的な目的は、明治維新という政治経済構造の変革に則して近世と近代とに分断して記述されてきた日本文学史を、19世紀という時間的枠組みに拠って通史的に記述し直すことにある。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は、仮名垣魯文の生涯に渉る文業を調査して明らかにし、近世と近代を通底する十九世紀の戯作者たちの全体像を定位することである。しかし、この二年間はコロナ禍の影響で資料を所蔵している機関を訪問して調査することができなかった。 そこで、本年は主として報条(引札)に関して、今迄に蒐集してきた資料の整理に注力した。その調査結果とその成果については、勤務先の雑誌である「大妻国文」に六年に渉って連載して来たが、今年度で一応締めくくりとして、その「補遺」と今迄に知り得た魯文の報条を整理して一覧表を作成した。もちろん、大量に出されたとされる魯文の報条のごく一部でしかないが、従来注目されることのなかった〈非文学的テキスト〉であり、『安愚楽鍋』などの舞台となった牛鍋屋「日の出」の報条を書いているなど、魯文の執筆環境を示唆する資料なども含まれていることが分かり、この資料の蒐集整理も、あながち無意味だとも云えないだろう。 また、コロナ禍がおさまってきて、二年ぶりに調査旅行にも行けるようになり、オンラインで資料の公開がなされていない天理図書館へ出向いて、魯文の著作の書誌調査をすることができた。ただ、海外に存するものが多いと思われる浮世絵などについての調査は進捗していない。そこで、内外の諸機関がインターネット上で公開している資料や、ネットオークションや古美術店などのサイトで見られる資料の博捜に努めた。これらは、今後整理して纏めて公表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍で長らく出掛けられなかった調査旅行であるが、2022年12月に何とか天理図書館へ出向くことができ、インターネットでは公開されていない魯文の著作に関する書誌調査を実施した。しかし、多くの史料が存する海外への調査へ出向くことはできなかった。近年はインターネット上で公開されている画像データが少なからず存するので、それらの調査を行ったが、やはり限定的であった。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍の影響も大分収まってきたので、可能な限り、国内外の諸機関を訪問して書誌調査を心掛け、その結果の集約や分析に力を入れたい。これらの蓄積は、魯文の生涯に渉る文業の全体像を見きわめるためであるが、実のところその全貌を明らかにすることは容易ではない。細かい資料で散逸したものも多く、さらに著者として名前が示されていない序跋などを執筆した資料や、浮世絵に記した填詞なども含めて可能な限り幅広く調査蒐集したい。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)