万葉研究の共有化に向けた学際的支援ツールの実践方法
Project/Area Number |
21K00318
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02010:Japanese literature-related
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Research Institution | Osaka Ohtani University |
Principal Investigator |
竹本 晃 大阪大谷大学, 文学部, 准教授 (60647832)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 万葉 / 木簡 / 発掘 / 出土文字資料 / 都城 / 大宰府 / 松浦 / 遺構 / 出土遺構 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、万葉研究の学際的共有化を図るために、古代史学・考古学の研究成果を取り入れた、万葉研究者(上代文学)のための支援ツールの作成と、それを土台にした万葉歌の再解釈を実践するもので、これまでの課題で得た『万葉集』巻第1~4での成果をもとに、時期的に重なりながら後続する巻第5・6で支援ツールの作成を試みつつ、それとともにそれらの実践方法を提示することが目的である。
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Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、発掘調査の出土遺構の成果を万葉研究に盛り込むために、『万葉集』巻第5・6を対象として、歌の詠まれた場所並びに歌に関係する地域の発掘調査報告書を網羅的に集めていた前年度の作業を継続しつつ、一首ごとの歌句に関係する木簡の事例や木簡の出土した発掘調査報告書の収集を目指した。 巻第5・6の歌は、北部九州を舞台とする歌が多く、おのずと畿内から北九州までの交通路が主眼となる。なかでも当該年度は北部九州に偏り、肥前松浦佐用姫の伝承についての故地や、近年発見のめざましい豊前地域の踏査などを主に実施した。 肥前松浦地域では、交通路が問題になっているなかで、大村駅推定地や玉島川(松浦川)近辺を巡見し、佐用姫伝承の舞台の一つである鏡山への登山や、唐津市の資料館において周辺の遺跡分布や近年の発掘調査成果を確認した。豊前地域では大分県立博物館や九州歴史資料館での企画展において最新の成果を確認しつつ、豊前地域の遺跡を踏査した。また、巻第4の補訂の必要性を感じて、古代山陰道における博物館での展示見学や、関連する発掘報告書などの文献収集を行った。 それぞれ発掘調査次数の多い遺跡であるから、複数にわたる発掘調査報告書のうち、どれを目録の候補に入れるべきかを考古学や古代史学の見地から総合的に判断し、取捨選択しているところである。 なお、初年度から続けている『万葉集』の本文入力も順調に進めており、必要となる個別の各項目が決まっていないのでレイアウトするまでには至っていないものの、テキスト入力そのものはほぼ終了している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
前年度と同様に、本研究課題が採用された後に前課題の再延長が認められたことで、本課題にかける比重が予定外に低下した。そのうえ当該年度は前課題の最終年度にあたっていたので、報告書の刊行に比重を置くことになり、余計に遅れている状況となった。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度から続けている歌の詠まれた場所並びに歌に関係する地域の発掘調査報告書および2年目から始めている一首ごとの歌句に関係する木簡の事例や木簡の出土した発掘調査報告書の収集の漏れ落ちをうめていきながら、最終年度にあたる本年度は、それらを調整し、解説を加えてレイアウトを整えていく予定としている。年度後半期は、報告書の編集作業と校正作業を中心に進めていきたい。 ただし、前課題で稿本のままであった巻第4の扱いについて、本課題において補訂したうえで報告書に盛り込みたいと考えているが、全体的に進度が遅れている状況であるのと、補訂の分量が思ったよりも多く、またレイアウトの都合上、前から固めていく必要があるため、巻第6までたどり着かない可能性も出てきた。そうした場合、刊行する分としては、巻第4の補訂と巻第5までに留めることも視野に入れている。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)