Project/Area Number |
21K00367
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02030:English literature and literature in the English language-related
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
渡辺 真理香 北九州市立大学, 外国語学部, 准教授 (60587616)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
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Keywords | アジア系レズビアン文学 / アジア系セクシュアル・マイノリティ文学 / アジア系アメリカ文学 / レズビアン文学 / インターセクショナリティー / クィア・セオリー / クィア・ポリティクス / 映画 / セクシュアリティ / インターセクショナリティ / レズビアン / セクシュアル・マイノリティ / 人種 / ジェンダー |
Outline of Research at the Start |
本研究は、未だアメリカ文学研究のどこにも土壌を見出せていないアジア系レズビアン文学を考察することで、多文化主義のアメリカ社会の全体像を掴もうとするものである。特に、セクシュアル・マイノリティの権利拡大運動やクィア・ポリティクスの広まり等の歴史を念頭に置きながらアジア系レズビアン文学を分析することで、セクシュアル・マイノリティの社会的変容がどのような影響をアジア系レズビアン文学にもたらしてきたのかを解明する。そして、多文化主義社会アメリカに対するアジア系レズビアン文学特有の政治的表現とはどのようなものであるかを検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(Everything Everywhere All at Once, 2022)をジェンダーやセクシュアリティの観点から考察し、その成果を6月17日にオンラインで開催された第148回例会におけるミニシンポジウム「映像作品の中のトランスボーダーネス:21世紀初頭のアジア系(アメリカ)映画を中心に」で発表した。また、この口頭発表に基づいた「家父長制への挑戦:『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』における性の問題」と題する論文をAALA Journal No.29に投稿した。アジア系レズビアンが主要人物のひとりとして登場する『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』に関するこれらの研究成果では、一見奇抜な本作品が、アジア系コミュニティに根強い家父長的価値観の克服という普遍的テーマを扱っていることを、セリフや場面の分析によって明確にした。そして、2023年のアカデミー賞最優秀作品賞受賞へと至った本作品への高評価に、アジア系コミュニティを超えたテーマへの共感を見出した。 その他、リカ・アオキ作品等、研究課題に関する作品の考察や資料収集等を行なった。 また、一般市民への知の還元として、公開講座「世界の文学とマイノリティIII:ヤング・リーダーズと探る平等な世界」(担当:8月5日&8月12日、オンライン)を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していたアメリカでの資料収集やアーカイブ調査等を、円安や目的地の物価高の影響で諦めざるを得なかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、現代のアジア系クィア作家がどのような作家から創作の影響を受けたのか探り、アジア系コミュニティに限定されない文学的水脈を探究したい。2023年度までの研究を含み、それらの成果を九州アメリカ文学会、日本アメリカ文学会、アジア系アメリカ文学会で発表する。また、学会誌への投稿も積極的に行う。
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