Rural Englishness and the English Novel
Project/Area Number |
21K00374
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02030:English literature and literature in the English language-related
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
丹治 愛 法政大学, 国際日本学研究所, 研究員 (90133686)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 田園主義的イングリッシュネス / 国民国家 / ナショナル・アイデンティティ / 産業革命 / 農業革命 / ヘリテージ文化 / 田園風景 / イギリス小説 / イングリッシュネス / ジョージ・エリオット / 『フロス河の水車場』 / ジョージ・ギッシング / 『ヘンリー・ライクロフトの私記』 / ヘリテージ / サッチャリズム / カズオ・イシグロ / 『日の名残り』 / D. H. ロレンス / 「イングランド、マイ・イングランド」 / 田園と都市 |
Outline of Research at the Start |
(a) イングランドのナショナル・アイデンティティにかんする先行研究を、その学際性に留意しながら総合的に整理する。そのアイデンティティの多様性と歴史性を理解する。 (b) 田園のイングランドというナショナル・アイデンティティが、いつごろ、どのような歴史的な脈絡のなかで生まれ、先進工業国(「世界の工場」)や大英帝国(「太陽が沈むことのない帝国」)、あるいは福祉国家(「ゆりかごから墓場まで」)といった他のナショナル・アイデンティティとどのように葛藤しながら、どのように展開してきたかを概観する。 (c) 以上のコンテクストのなかで、イギリス小説の代表的作品を解釈する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主題は、19世紀初頭から20世紀末までの2世紀にわたる田園主義的イングリッシュネス――イングランドの本質的ナショナル・アイデンティティは、都市ではなく田園にこそあるという観念――の文化史である。これまでジェイン・オースティンの長編6作、エミリー・ブロンテ『嵐が丘』、ジョージ・エリオット『フロス河の水車場』、トマス・ハーディ『ダーバヴィル家のテス』、ウィリアム・モリス『ユートピアだより』、ジョージ・ギッシング『ヘンリー・ライクロフトの私記』、フォースター『ハワーズ・エンド』、D. H. ロレンス『白孔雀』、ヴァージニア・ウルフ『幕間』、カズオ・イシグロ『日の名残り』の作品を、この統一的主題のもとで研究するとともに、ロレンスをのぞく作家については論文のかたちで成果を発表してきた。 昨年度後半からは、以上の研究を一冊の本にまとめるための作業をはじめた。まず、この主題に関する歴史的背景(階級社会の変容、農業と工業の経済的発展と衰退、ナショナリズムの高揚のもとでのナショナル・アイデンティティの模索、ヘリテージ文化の発展のもとでの田園風景の発見と同時代の美術史との関連など)、および田園主義的イングリッシュネスに関するこれまでの代表的な研究の概要などをまとめ(全体のイントロダクションに相当する部分となる)、それと並行して、記述の重複を避け、ひとつの流れをつくりだすために、内容的にも論理的にも各論文の大幅な書き換えを進めてきた。それと同時に、各作品についての書誌をアップデートし、入手可能な範囲で最新の研究成果もとりいれることに努めた。その結果、オースティンからフォースターまでは一通りの作業を終えることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」に書いたとおり、とりあげる予定の10人の作家のうち、7人についてはほぼ最終的なかたちにまとめあげるところまで来ている。また、研究全体のコンテクストを説明するためのイントロダクションも書き終えることもできた。あとは3人の作家(ロレンス、ウルフ、イシグロ)を残すのみとなっている。ロレンスについては一から書かなければいけないが、今年度にはすべて書き終え、出版社と交渉できる段階にまでもっていく。
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Strategy for Future Research Activity |
残された3人の作家について、まずはいちおう最後まで書き上げているウルフとイシグロの章の書き直しを進め、そのうえでロレンス『白孔雀』(当初「イングランド・マイ・イングランド」をとりあげようと考えていたが、そして実際に執筆を進めてもいたが、『白孔雀』のほうがおもしろいと考え、変更することにした)を一から書き進める。と同時に、コロナおよび個人的事情などで延期になっていた海外出張を実現させる。5月にUC, Berkeleyに行き、参照できていない文献の調査を行うとともに、9月にはイングランド南部をめぐりながら、それぞれの作家の博物館や多数の田園風景画を収蔵している美術館を訪ね、また、出版に必要となるさまざまな写真(農業革命やヘリテージ文化に関わるものなど)を撮影してくる予定である。来年の3月までには出版までこぎつけたい。
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Report
(3 results)
Research Products
(6 results)