Project/Area Number |
21K00405
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02030:English literature and literature in the English language-related
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
西垣 佐理 近畿大学, 農学部, 准教授 (00581042)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 初期ヴィクトリア朝文学 / 看護 / ジェンダー / 男性性 / 病 / 感染症 / ディケンズ / ブロンテ / サッカレー / 医療表象 / 歴史 |
Outline of Research at the Start |
本研究では以下の2点について明らかにすることを目的とする。 1.ヴィクトリア朝イギリスの看護や医療に関する資料を分析することで、当時の感染症や医療・看護の言説が生まれた背景を探り、どのように文学に組み込まれたのか、文学史上における病・医療・看護表象の位置づけを考察する。 2.ヴィクトリア朝イギリスにおける医療・看護の言説が文学にもたらした影響について、特に初期ヴィクトリア朝に書かれた文学作品で分析を行う。各作品における医療・看護の扱いの相違や物語展開や人物造型への影響力を考察することで、同時期に活躍した二人の作家の特質の違いを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、主に当該テーマに関する研究を行ったが、それ以外にも、2022年度に行った研究を書籍化する作業、および2本学会シンポジウムでの研究発表のための研究を進めた。 まず、2022年12月に甲南大学で開催された日本英文学会関西支部第17回大会シンポジウムで研究発表したものを書籍化する話が出てきたため、シンポジウムのメンバーと共同で、発表内容を改稿し、2023年12月に英宝社より、『ジェンダー・ロールの呪縛と越境』という書籍を出版した。私は、第4章「第四章 ヴィクトリアン・マスキュリニティの確立と男性による看護ー『嵐が丘』を中心にー」を担当し、初期ヴィクトリア朝の作家エミリー・ブロンテの小説『嵐が丘』(1847)に登場する男性の看護表象について、当時のジェンダー・イデオロギー確立の議論を通じて分析した。 また、2023年10月に同志社大学で開催された日本ギャスケル協会第35回大会シンポジウムでは、「『北と南』におけるジェンダー・イデオロギーの再構築―マーガレットとソーントンとの関係を中心に―」と題して研究発表を行い、同年12月にも、大阪公立大学第2回英米文学会シンポジウムにて、「イギリスへの視線ーオリーヴ・シュライナー『女性と労働』におけるジェンダー意識」 というタイトルで研究発表を行った。 当該テーマの中でも、特にジェンダーの側面について多くの知見が得られたことで、来年度のさらなる研究の発展につなげられたように思う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
昨年度行った研究発表を元に、書籍化の話が出て、そちらの作業に集中した結果、2023年12月に『ジェンダー・ロールの呪縛と越境』(英宝社)が出版された。また、2本シンポジウムで研究発表したことで、成果発表の機会を持つことができ、当該研究テーマに関する知見を多く得ることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度のシンポジウムでの成果より、発表原稿を論文化する作業を中心に進め、学術誌等に投稿することで、成果発表の機会を得たい。また、当該研究テーマに関する資料収集や分析も同時に進め、新たに論文化できるよう進めていくつもりである。
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