エミール・ゾラにおける文学と音楽の〈美学上の相互浸透〉と実作上の帰結に関する研究
Project/Area Number |
21K00469
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02050:Literature in general-related
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
林 信蔵 福岡大学, 人文学部, 教授 (20807911)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 翠 京都市立芸術大学, 美術学部/美術研究科, 准教授 (00706301)
成田 麗奈 東京藝術大学, 大学院音楽研究科, 研究員 (30610282)
川上 啓太郎 上野学園大学短期大学部, 音楽科, 講師(移行) (40978087)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | オペラ演出 / ローカルな真実 / 紋中紋 / 予言 / ライト・モチーフ / パストラーレ / 円環二部形式 / ソナタ形式 / エミール・ゾラ / アルフレッド・ブリュノー / シャルル・グノー / 散文オペラ / オペラ共作 / 《メシドール》 / 《ジョルジュ・ダンダン》 / ヴァーグナー主義 / ナショナル・アイデンティティ / 自然主義オペラ / 物語論 / 比較芸術論 / フランス・オペラ / リヒャルト・ヴァーグナー |
Outline of Research at the Start |
本研究は、小説家や美術批評家として有名なエミール・ゾラが、その晩年に、音楽家アルフレッド・ブリュノーにオペラ共作のための理論や台本を提供したことに注目し、それらの美学や台本の中にゾラの晩年の小説と連続性をもった芸術創造のための論理が存在することを明らかにする。 このような方法により、音楽と小説という異質な記号体系間の相関関係を学問的な考察の対象とすることが可能となる。また、従来異なる芸術間の相関関係の考察では、周縁に追いやられていた音楽に光を当てることで、音楽と共同体をめぐる問題系に文学研究を接続し、文学とナショナル・アイデンティティをめぐる議論に新たな視点を導入する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度における研究では、フランスの小説家エミール・ゾラと作曲家アルフレッド・ブリュノーのオペラ共作がもたらした様々な帰結についてより具体的な論点から共同研究班のメンバーがアプローチをし、それぞれが研究成果を残すべく研究を進めた。 研究代表者、林 信蔵は、オペラ共作に関して、比較芸術論的、理論的側面から研究を行い、ジャン=ジャック・ナティエらオペラ演出に関する理論的著作を参照しながら、ゾラのオペラ創造のための理論をオペラ史における音楽と台本との関係をめぐる様々な議論の積み重ねの中に位置付ける試みを行った。 フランス文学および物語論を専門とする研究分担者、中村 翠は、ゾラとブリュノーの共作の代表作《メシドール》の第3幕第1タブローのバレエ音楽とオペラ全体のフィナーレとの対応関係に関する林の先行論における指摘を受けながら、《メシドール》のバレエを「紋中紋」という概念と関連づけて理解することを提案している。その上で、バレエの場面が持つ予言的機能に関して、オペラの登場人物の属性と予言の意味とを関連付けながら考察を進め、オペラ共作以前のゾラの文学作品における預言者の果たす役割と比較するという方向からの研究を行っている。 西洋音楽史、フランス近代音楽を専門とする研究協力者(2023年5月まで研究分担者)、成田 麗奈は、中村によるオペラの登場人物の属性と予言の意味との関係についての分析と関連付けながら、ブリュノーがどのようにゾラの物語の世界観をオペラ音楽として表現するために腐心したのかについての研究を行っている。 作曲論を専門とする研究分担者、川上 啓太郎は、中村が提示した予言に関する物語論的考察を参考にしながら、オペラ全体の音楽とバレエ音楽との関係を分析し、作曲史的にブリュノーの音楽にどのような特性があるかを明らかにするための研究を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究の進捗としては、2023年度において、研究代表者および研究分担者・研究協力者が、それぞれの論点をより具体化させ、個々の専門的なアプローチを共同研究として統合してまとまった業績にすることができるような方向性を見出しつつあり、共同研究としては成熟しつつある。 ただし、2022年度に発生した研究代表者周辺でのやむを得ない事情に伴う研究の遅れや、研究分担者および研究協力者の事情等により、研究の業績の発表は、やや遅れた状態にある。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、2024年6月に開催される日本フランス語フランス文学会におけるワークショップの公募に共同研究班として企画を応募し、採択されるにいたった。このワークショップへと向けた準備およびワークショップ当日に行われる議論を契機として、共同研究班内およびそれ以外の関連分野の研究者との議論を活性化させ、研究の方向性を明確化し、研究の進捗および業績の発表を促進させるよう尽力する予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(10 results)