Project/Area Number |
21K00474
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02060:Linguistics-related
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
上保 敏 富山大学, 学術研究部人文科学系, 准教授 (80553114)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 朝鮮語学 / 言語学 / 漢文訓読 / 加点 |
Outline of Research at the Start |
本研究は,朝鮮半島における漢文加点資料に対し,従来の朝鮮語史研究に普遍的に見られたような15世紀のハングル創制以前のより古い資料ばかりを追求しようとする姿勢,言語資料的な価値の高い資料ばかりを追求しようとする姿勢を止揚し,たとえ15世紀以降の資料であってもその加点現象に注目する姿勢,必ずしも言語資料が高くない資料からも漢文原文に対する注釈や漢字の読音・声調・注釈,校正のための符号など加点現象全般に注目する姿勢をもってして,漢文文献に対する加点現象にはどのような特徴があるのか,なぜ加点が起こるのか,またそうした加点はどのような原理に基づいているのか等,加点現象の本質を明らかにしようとする。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,本研究の2年目にあたる。もともとの計画では,初年度に,朝鮮半島における漢文加点資料に対する全体像の把握のための資料調査を集中的に執り行い,本年度は,その間実施した資料に対する調査,収集をもとにして,それらの資料に現れる加点現象について,具体的に分析・考察を加えていく予定であった。しかし,初年度,新型コロナウィルス拡散による影響などにより,国内外,とりわけ資料を多く所蔵する韓国に渡航して調査をすることがまったくできなかったため,やむを得ず研究計画を補正して,すでに利用可能な影印類・影照類を参照しつつ,その加点状況を調査したり,李朝時代に漢文読解,漢文学習がどのように行われていたのかについて記された史料類の記述を調査し,その様相を考察するなど,限られた環境のもとでできる調査を行ってきた。 本年度に入ってもその影響は続き,資料調査の実施が非常に困難であったため,初年度に引き続き,限られた環境のもとでできる上述の事がらに対する調査を続けた。年度末になってようやく韓国に渡航することができ,資料を所蔵する諸機関に赴き資料調査を実施することができた。また出張の際には,韓国で著名な若手新鋭の研究者諸氏と最新の研究動向等について情報交換も行った。 なお,配分された研究経費の使途については,朝鮮語漢文加点資料の影印類の購入費,朝鮮語学,朝鮮語史に関する研究図書の購入費,資料の調査や撮影をするための機器の購入費,および,資料調査のための出張経費などに充てた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は,昨年度に実施できなかった資料調査を集中的に実施し,李朝時代の漢文加点資料に対する全体像を把握してリスト化する計画であった。これらの資料の多くは,その間,関心外に置かれており,また資料の多くは影印出版が為されておらず,為されているとしても,毛筆で書き込まれた加点を影印でもって解読するのは困難であるためである。 しかし,今年度に入っても,資料調査の実施が非常に困難な状況が続き,やむを得ず研究計画を補正し,限られた環境のもとでできる調査を執り行ってきた。年度末になって,ようやく資料を多く所蔵する韓国に渡航し調査を実施することができたが,国内外に散在する当該資料の全体像を把握するにはまだまだ遠い。昨年度に比して,やや前進はしたものの,全体として,遅れている状況にあると言わざるを得ない。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は,もともと3年間で執り行う計画を立てており,それぞれの年次における研究計画を具体的に設定していたが,初年度より,計画通りに研究を十分に執り行うのが難しい状況が続き,その影響が今なお続いている状況である。次年度は研究の3年目,最終年度にあたるため,これまでの遅れを取り戻すべく,①朝鮮半島における漢文加点資料に対する全体像の把握し,②漢文加点資料に部分的に見られる訓読の痕跡を具体的に解明していけるよう,執り行っていく予定である。そして最終的には,③漢文加点資料に見られる種々の加点の様相を具体的に解明してく段階へと進んでいきたい。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)