Project/Area Number |
21K00482
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02060:Linguistics-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
金 アリン 九州大学, 人文科学研究院, 専門研究員 (40869658)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 琉球語 / 徳之島方言 / アクセント / イントネーション |
Outline of Research at the Start |
本研究は、消滅危機に瀕する徳之島金見(かなみ)方言の動詞・形容詞アクセント、外来語アクセント、標準語語彙(標準語と方言の中間言語)のアクセントおよびイントネーションを総合的に研究し明らかにしていくことを目的とするものである。加えて、アクセント・イントネーションの音韻調査を行う過程で大量に得られる金見集落の方言語彙をオンライン辞書という形で公開することを目指す。本研究の成果をオンラインで公開することで、他の研究者にとっても有効なものとする。また、辞書には仮名表記を用いることで研究者だけではなく一般の方も利用できるようにし、研究成果の現地還元を行うこととする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、鹿児島県徳之島の最北端に位置する金見方言を対象にするもので、アクセントとイントネーションの全体像を明らかにすることを目的とする研究である。アクセントとイントネーションの研究は基本的に現地調査を要するものであるが、研究計画を立てる段階から予想されていた通り、COVID19の拡散により、研究1~2年目である2021~2022年度の2年間は現地でのフィールドワークが困難であった。そこでこの2年間は手紙による文通調査を中心にデータを集めその後のフィールドワークに備えてきた。現地調査が再開できるようになった今年度(2023年度)は2回現地に出向き、文通調査のデータを基盤に音声の録音とそれらに関する追加調査を行った。また、文通調査ではできない外来語アクセントの調査も行った。 また、今年度は本研究で扱う音韻現象のうちイントネーションについての報告を行っている。現在、国立国語研究所の紀要で査読中の小川晋史・金アリン共著の「徳之島金見方言のイントネーションと名前呼びかけ時に生じる長母音」がそれである。論文の内容を要約すると、まずこの論文では、金見方言の文末イントネーションが意味の対立を作り出すことがないこと、一方で文中イントネーションについては,統語構造やフォーカスが反映されるなどの対立が認められるということを報告する。そして、長母音の性質に関しては、この方言においては人に名前で呼びかける場合に、語(名前)の基底には存在しない音声的な伸び(長母音)が生じる場合があり、長母音が生じる位置については語を単独で言い切る場合のピッチパターンから予測できるといった内容も含まれている。 4年目に当たる2024年度は動詞・形容詞やその活用形のアクセントに関する調査を目標としている。まだ、調査すべき項目が多く残されているため、とにかく今年度はデータの蓄積に集中する方針である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画の段階からCOVID19により現地でのフィールドワークが困難であることが予想されていたため、2年間、文通調査を中心に研究を行った。今年度はそれを基盤にフィールドワークを進めたが思ったほど十分な録音が取れていない。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は動詞・形容詞やその活用形のアクセントに関する調査を目標としている。まだ、調査すべき項目が多く残されているため、とにかく2025年度はデータの蓄積に集中する方針である。また、フィールドワークの回数や期間を確保するため、今後研究期間の延長を検討しているところである。
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