Essence and ontology of structure-building mechanisms of natural language system: a graph-theoretical approach
Project/Area Number |
21K00491
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02060:Linguistics-related
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Research Institution | Momoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
有川 康二 桃山学院大学, 国際教養学部, 教授 (80299023)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 自然言語計算アルゴリズム / 文構造の構築メカニズム / 解釈不能素性の存在理由 / 行列統辞論 / フラクタル幾何学 / ウイルス(エラー)チェックシステム / エラー最小化 / 値付与の不在 / 自然言語計算システム / ウイルスチェックシステム / グラフ理論 / 構造 / 島 / 最適なバランス |
Outline of Research at the Start |
グラフ理論は、あらゆるネットワーク(情報が流れる動的な幾何学構造)の最適なバランスを計測する道具です。ヒト脳の言語システムは、樹形構造を生み出し、構造情報(ウイルス)の消去を行い、最小性原理(自然法則)に従って、文構造を細切れ化する計算システムです。これらを定量的に(数値的に)表現し、検証します。生成統辞論(文構造を研究する学問)が半世紀以上に渡り蓄積してきた論理(質的な証拠)を定量的に補強します。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度の研究の目的は、構造特徴の消去のメカニズムの本質の解明であった。ホモ・サピエンス脳の言語計算システムのアルゴリズムには音でも意味でもない構造(形態統辞:格、φ(人称、数、性))素性の消去メカニズムが存在する。構造素性消去の機構である内的結合(internal merge)により二股枝分かれ構造が形成される。当該年度は、2本の論文、Internal merge: Why does it work this way? A matrix syntactic approach to argument chain (Open Journal of Modern Linguistics, 12(3), 336-365, June 2022, 査読あり)、及び、Non-referentialist CHL as error minimization: Toward a valuation-free Agree model (St. Andrew's University Bulletin of the Research Institute 48(3), 79-104, March, 2023, 査読なし)を発表した。前者は、二股枝分かれ構造の幾何学的本質について、重ね合わせ現象を核心とする量子力学が援用する数学ツール(名詞範疇素性を実数1、動詞範疇素性を虚数iに変換したもの)を利用し、線形代数学の枠組みで考察した。言語構造は収縮、拡大、不変の三力のバランスを取っていることを数学的に解明した。将来の生成統辞論と数学の統合の為の基礎研究と位置付けられる。後者は、言語システムは母なる自然が創造したエラー最小化(誤差補正)システムであるという仮説を提案し、経験的証拠を挙げて検証した。また、名詞のφは解釈不能素性と論じ、標準的な値付与(valuation)を基盤とする分析の問題を指摘した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題は、2021年度は「内的結合(内的併合のこと、文構造の構築原理)と言語構造の本質、存在理由に関する問題」、2022年度は「構造素性(形態統辞素性のこと、音でも意味でもない)消去の本質、存在理由の探究」、2023年度は「フェーズ(文構造内で言語計算が行われる最小領域)の本質、自然科学としての生成統辞論に関する問題」であった。研究実績の概要でも述べたように2本の論文で内的結合の数学的な考察、及び、構造素性消去の本質を論じた。現在、反実仮想(counterfactual)の文構造と意味分析(量子力学の光子の重ね合わせ現象に関する実験結果を表現する文を利用)について行列統辞論の仮定を援用しながら考察する論文を執筆中である(7割程完成)。また、2023年度の研究計画で述べた教科書については、Elements of generative syntax: How rationality tackles language system(仮称;267頁、英文)を自身の講義で試用しながら修正しつつ執筆中である(原稿は概ね完成しているが、最終確認作業は8割程度)。最終的には英文校正にかけ出版の準備に入る予定である。後者は教科書として過度に革新的な要素は極力排除したものを準備中である。これは以前に出版社に投稿した際、編集者から注意された点であり、その反省をもとに大幅に修正した。教科書として大半は標準的で基本的な問題群を押さえつつ、しかし、ある程度は独自の分析(それが妥当である限り)も提案することにも専念している。
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Strategy for Future Research Activity |
「現在までの進捗状況」でも述べたように、現時点で二つの作業が進行中である。1点目は、反実仮想文を行列統辞論、量子力学と関連させて考察する論文(英文)の執筆である(Rethinking counterfactual geometry and semantics: Matrix syntax and quantum mechanics perspectives(仮称)、邦訳:仮想現実文の幾何(構造)及び意味再考:行列統辞論、量子力学の観点から)。これに関しては総合的な観点から論文内でのデータや議論の整合性を確認中である。2点目は、教科書(Elements of generative syntax: How rationality tackles language system(仮称;267頁、英文、邦訳:生成統辞論の基礎:人間の合理性は言語システムの説明に如何に挑戦しているか))の執筆である。後者に関しては、ほぼ原稿は完成しているが、現在、最終的な確認作業に入っている。当該教科書の要所要所を自身の講義で利用しながら学生からのフィードバックや使い勝手等を反省、参考にしつつ適宜加筆、修正、削除の作業を行なっている。全体的な調整、解説方法、分析方法の改善だけではなく、例えば、交換留学生から提供された母語データの分析も追加するなどの作業を行なっている。後者の英文校正、投稿を今年度前半早急に完了させ、今年度後半は前者に集中し、その英文校正、投稿を予定している。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)