Project/Area Number |
21K00522
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02060:Linguistics-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長屋 尚典 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (20625727)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 言語学 / 談話小辞 / タガログ語 / オーストロネシア語族 / 言語類型論 / フィリピン諸語 / 記述言語学 / コーパス言語学 / コーパス |
Outline of Research at the Start |
タガログ語は、フィリピン共和国で話されているオーストロネシア語族の言語である。フィリピンの公用語としてはフィリピノ語とも呼ばれ、話者人口 1 億人に迫るアジアの主要言語であり、言語類型論・理論言語学の点で重要なフィリピン・タイプを代表する言語である。本研究が対象とする談話小辞は、発話末などの特定の位置に出現し、さまざまな談話機能・語用論的効果を付加する。タガログ語の談話小辞についての基礎研究は圧倒的に不足している。そこで、本研究は、タガログ語の談話小辞を取り上げ、これらが (a) どのような機能を持ち、(b) どのような音調と結びつき、(c) どのような分布・共起関係を持つのかを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画は、タガログ語の 6 つの談話小辞 (e、o、a、ha、ano、diba) を取り上げ、これらが (a) どのような機能を持ち、(b) どのような音調と結びつき、(c) どのような分布・共起関係を持つのかを明らかにする。研究方法として、(i) 大規模ウェブコーパス、(ii) 自然会話コーパス、(iii) 聞き取り調査の 3 種のデータの分析を採用し、総合的かつ多角的に分析することで記述的にも理論的にも意味のある分析を目指す。
2023年度はコーパス調査を拡大し、談話小辞の周辺現象に関するデータ分析を行った 1 年であった。Sketch Engine などの大規模コーパスだけでなく、自分で構築した会話コーパスを利用してデータを収集し、研究補助者とともにデータのアノテーションを継続した。同時に、談話標識だけでなく、語の認定や語彙意味論に関する理論的・通言語的研究も行った。
主な成果としては、タガログ語の談話小辞を概観し、特に e について分析した Discourse particles in Tagalog: The case of e を出版した。この論文はこの研究課題における最も重要な成果であり、談話小辞の全体像を示すとともに、最頻出の語である e について分析をしたものである。さらに、タガログ語の Twitter コーパスを利用して、sana all 「だったらいいのになぁ; うらやましい」の研究を行い学会で発表を行った。方法論的には、示差的目的語標示に注目しその要因についてのコーパス研究をまとめ学会に発表申請した。コーパス研究の手法を拡大するために単数複数標示に関する言語類型論的研究に取り組み、発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
準備段階の 1 年であったが、Sketch Engine などの大規模コーパスだけでなく、自分で構築した会話コーパスを利用してデータを収集し、研究補助者とともにデータのアノテーションを継続した。同時に、談話標識に関する理論的・通言語的研究も行った。論文として出版された成果こそ少ないものの、4年目の成果発表に必要な基礎的な作業を行うことができた。おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究においては、すでに収集したデータを用いて研究論文を発表することに注力する。
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