Interactions between clausal arguments in Odia reflected in case marking
Project/Area Number |
21K00540
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02060:Linguistics-related
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
山部 順治 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 准教授 (00330598)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | オリヤ語(オディア語) / オリッサ州(オディシャ州) / 統語論 / 類型論 / 人称・格制約 / 同一格制約 / 節縮約 / コピュラ文 / 九州方言 / インド・アーリア語 / 格 |
Outline of Research at the Start |
オリヤ語(インド東部・オリッサ州、印欧語)においては、文中に項が複数個ある場合(多項文)、項どうしの間の相対的関係が格標示のありかたを左右する。そのような現象は多様に観察される。また、オリヤ語の話者の間でも意見が異なる。本研究では、この様子を詳細に述する。資料収集のためオリッサ州で調査を実施する。オリヤ語について明らかにした特異性と話者間変異を資料として活用し、格標示、異化的な作用、名詞句階層といった言語学の理論的論題に関して寄与をねらう。
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Outline of Annual Research Achievements |
諸言語において多項文の格体制は、項どうし間の相対的関係に左右されることがある。オリヤ語(インド東部・オリッサ州で話される印欧語)においては、そのような事象が多様に見られる。本研究は、オリヤ語の事象の研究をとおして、またオリヤ語と日本語の対照をとおして、格標示、異化的な作用、名詞句階層などの統語的概念に関して通言語的多様性・普遍性の解明へ寄与をねらう。 本年度(令和4年度)の研究実績は、次の(1)(2)のとおり。 (1)オリヤ語に関しては、現地インド・オリッサ州において、5~6月、11~12月、12~1月に実施した。旧知の協力者1名と通算55日間、大学院生1名と10日間、面接調査を実施した。先立つ2年間(令和2・3年度)は、コロナ禍のため現地調査の実施がかなわなかったが、上述の調査においては同2年間に整備した質問項目を使用した。特に、格、人称、非人称、類別詞、有生性、節縮約が関わる事象を取り上げた。調査をとおして次の①②の点が明らかになった。① オリヤ語における同一格制約(同一文中で同一格名詞句の共起が排除される事象)に関しては、同一格名詞句の現れる統語的文脈が条件づけることを、これまでに研究代表者(山部)が報告していた。今年度の調査によって、さらに、格語尾を含む同一格名詞句じたいの語彙的特徴にも条件づけられることが分かった。② オリヤ語の人称・格制約に関しては、コロナ以前の調査によって存在が明らかになっていた。今年度の調査によって、同制約はより一般的な事象の一側面だと見なしうることが分かり、より根源的な説明への糸口が得られた。成果発表は、①に関して、論文1点、学会発表1件。②に関して、学会発表1件(採用ずみ。予定)。 (2)上述のようなオリヤ語の研究にエフォートを傾斜させたため、日本語に関しては、研究に目立った進捗を得られず、前年度の資料収集を延長して行なうにどどまった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度は、コロナ禍によるインドへの渡航制限が解除され、現地での資料収集調査が実施できた。このおかげで、先立つ2年間の考察過程で生じた疑問点を解消したほか、新たな論点を提起する事象を発見するなど、研究が大きく進捗した。ただし、インドの言語の研究と並行的に行なっている日本語の研究に関しては、前者へのエフォートを傾けたため、目立った進捗はなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度には、インド・オリッサ州で調査を実施する。期間・規模については令和4年度と同等のものを見込んでおり、具体的に次のとおりである―カタック市で旧知の協力者から通算50日間、および、ブバネスワル市で1・2人の学生から各人10日の期間、聞き取りを行なう。これらにおいては、令和4年度の調査で残された不明点や、同年度調査を通じて新たに生じた疑問から質問を開始し、質問に対して得られる回答に応じて新たに質問を設定していく。 勤務校(熊本市)においては、インドでの調査で得られたオリヤ語についての資料を整理・考察する。このほか、日本語の標準語や九州方言の文法に関し面接・アンケートによって資料を収集する。この資料を前任地(岡山市)で得た資料と対照し、両方言の異同を浮き彫りにする。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)