Project/Area Number |
21K00561
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02070:Japanese linguistics-related
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Research Institution | Sanyo Gakuen University |
Principal Investigator |
山根 智恵 山陽学園大学, 総合人間学部, 教授 (60269983)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 武 広島工業大学, 工学部, 教授 (10197444)
石原 茂和 広島国際大学, 健康科学部, 教授 (90243625)
大山 剛史 岡山県立大学, 情報工学部, 准教授 (40462668)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | フィラー / 脳 / 光トポグラフィ / fNIRS / ハイレゾ / 脳波計 / 丁寧度 / 感情 / 発話産出 |
Outline of Research at the Start |
発話産出やコミュニケーションに欠かせないフィラー(それ自身命題内容を持たず、かつ他の発話と狭義の応答関係・接続関係・修飾関係にない、発話の一部分を埋める音声現象。「あの」「えー」等)。孤立語の中国語・ベトナム語ではフィラーの種類も出現数も多くないと言われているが、朝鮮語(韓国語)・日本語のような膠着語にはバラエティが見られ、特に日本語にはフィラーが多い。従来、話者交替や談話構造と関わって研究されてきたこのマーカーを、本研究では光トポグラフィを使用し、脳血流測定を行うことで、脳の活性化(言語情報処理面)や好感度・丁寧度の感じ方(感情の認知面)と関わらせて分析・考察し、日本語のフィラー解明に挑む。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度の研究実績の概要は、以下の4点にまとめられる。 1.広島大学ある光トポグラフィで実験を行う予定だったが、使用できなくなったため、岡山県立大学で実験を実施することになった。機器が異なるため、予備実験も実施した。また、脳波計での様子も確認するため、一人だけ広島国際大学の脳波計で実験を行った。予備実験、脳波計の実験も含め、調査協力者は日本語母語話者12名、韓国語母語話者10名、中国語母語話者8名、ベトナム語母語話者8名である。ただし、海外での実験に機器を持ち出すことは様々な理由から難しく、また調査協力者確保も厳しく、海外での実験は実施できなかった。 2.実験の内容については、楽しかったこと・うれしかったこと、悲しかったこと・つらかったことの独話(日本語・母語)、研究代表者との会話、母語話者同士の会話は今年度も実施したが、調査協力者の時間拘束の負担を軽減するため、ハイレゾと普通の音源の聴取比較や長い発話を繰り返し聞かせる実験は実施せず、フィラーが多い談話、少ない談話を各1分聞いてもらった。また、調査協力者が発話している際の脳の血流量を計測できるというfNIRSのメリットを活かし、発話実験の種類を増やした。何種類かのフィラーを繰り返し発話してもらう、足し算(例:123+234は?)の答えや道聞きの質問への回答を言ってもらうなどで、それらのデータも収集した。 3.フィラーと丁寧度に関する聴取実験(アンケート)については、海外出張が可能になったので、韓国、台湾、ベトナムの大学間協定校・姉妹縁組校で実施することができた。ただし、ベトナムには協定校が1校しかないため、アンケート回収数は韓国、台湾より少ない。 4.研究協力者で2023年度の日本実験言語学会での共同発表者である高村遼が、今後出版される本の中の「フィラー」の項目を分担執筆し、そこで学会での発表について触れた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度は学生の大半が在住する岡山市から、岡山県立大学がある総社市にも電車などで行き来できるようになり、学外者への入校制限もなかったので、岡山県立大学で実験を実施することができた。さらに、海外出張も可能になり、研究代表者が大学間協定校・姉妹縁組校に出向き、アンケート調査も実施できた。しかし、広島大学で実験が実施できなくなり、また実験に使用する機器が変わったことから、両機器で収集したデータの分析が進んでいない。2022年度の収集データについては、韓国語の翻訳は終了しているが、他の言語(中国語・ベトナム語)については自動翻訳に修正をかけておらず、2023年度の収集データについては、自動翻訳とその修正だけでなく、血流の波形についての分析も実施できていない。2024年度にも学会発表を行うが、両データを分析し、論文にして投稿するまでに時間がかかると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策を以下の3点にまとめる。 1.2022年度、2023年度に収集したデータの分析を進め、学会発表、論文執筆、学会誌への投稿を行う。特に2024年度は、2022年度に収集した発話データ(独話)と、フィラーと丁寧度に関する聴取実験(アンケート)をもとに、6月に海外で開催される学会で発表する予定(学会発表後、冊子に論文掲載)なので、それらのデータ分析に真摯に取り組みたい。 2.広島大学の機器が使用できなくなったので、再延長できれば再延長し、じっくりデータを分析し、2025年度にも国内だけでなく海外の学会でも発表を行いたい。また、6月の学会発表終了後は、2023年度に収集したデータの分析・考察を進め、論文を学会誌に投稿する。 3.再延長できれば、丁寧度のデータ収集数が少なかったベトナムに出向き、再度聴取実験を行いたい。難しければ、2024年度中に、国内の学会での発表や論文投稿だけでなく海外の学会での発表を行いたい。
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