Project/Area Number |
21K00589
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02080:English linguistics-related
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
木村 博子 千葉工業大学, 工学部, 准教授 (40637633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成田 広樹 東海大学, 文学部, 准教授 (60609767)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 統語論 / 省略 / 焦点 |
Outline of Research at the Start |
焦点の担う意味や焦点の表示方法については、研究者間で意見が分かれ、これまでにかなりの数の焦点理論が提案されてきた。本研究では、省略(文中の既出要素を発音しないこと)が焦点の意味や表示方法に影響を及ぼすのかを検証し、乱立状態の焦点理論の整備を行う。 また、非省略文(文中の要素がすべて発音されている文)について指摘されてきた焦点の意味や表示方法における言語間の違いが、省略文においても観察されるのか否かを検証し、比較言語理論の発展に貢献できるように努める。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、(1)省略文における焦点要素の意味解釈と表示方法及び(2)省略文と非省略文の間において観察される対比を調査し、省略の有無が焦点要素の意味解釈や表示方法に与える影響の有無や程度を解明することを目指す。 今年度はまず、Why-stripping省略構文において、焦点要素の残余句が先行詞中の表現の繰り返しとなる事例(例:太郎は花子にプレゼントを渡した。‐なぜ花子に?)と、残余句が言い換え表現となる事例(例:太郎は花子にプレゼントを渡した。-なぜあんな女に?)をみた。言い換え事例は、繰り返し事例の観察のみでは得られない省略の同一性の解明に重要な意義を持つことを示した。この研究成果は、国際学会41st West Coast Conference on Formal Linguisticsにて公表した。また、当該学会のProceedingsにて公表予定である。 また、複数の節省略構文における残余句となる焦点要素が統語構造上占める位置の研究を行い、省略の種類にかかわらず、焦点解釈を受ける残余句は削除領域内に留まることが可能であることを示した。当該の研究成果は、省略を題材とした国際ワークショップCurrent Issues in Comparative Syntax 2:Boundaries of Ellipsis Mismatchにて公表した。 さらに、非省略文と省略文が許容する短縮応答の差異に基づき、分散形態論で提唱されている省略を音形の無挿入として捉える仮説を支持する証拠を提示した。当該の研究成果は、開拓社より出版された書籍『分散形態論の新展開』の1つの章として公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は最終段階に到達しており、研究成果をまとめて公表する段階になっている。助成期間中に、研究代表者の産休および研究分担者の育休があったため、成果の一部がまだ報告できていない状況である。期間延長した次年度に、残りの研究成果を公表する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、これまでの研究成果をまとめ、学術雑誌に投稿する予定である。特に、複数の省略構文の研究を通じて得られた理論的帰結に重きを置く論文を執筆する予定である。
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