Project/Area Number |
21K00627
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02090:Japanese language education-related
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Research Institution | Takushoku University |
Principal Investigator |
倉田 芳弥 拓殖大学, 政経学部, 准教授 (40885589)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楊 虹 鹿児島県立短期大学, その他部局等【文学科】, 教授 (20571607)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | LINE / チャット / SNS / 留学生 / 日本人大学生 / ビジネスコミュニケーション / コミュニケーション / LINEチャット / コミュニケーションスタイル / ビジネスコミュニケーション教育 |
Outline of Research at the Start |
LINEは、日本において日本語母語話者だけでなく、日本語非母語話者にとっても日常的なコミュニケーションツールであり、友人だけでなく、仕事の上司や同僚とのコミュニケーション手段としても使われている。本研究は、留学生がアルバイト等仕事の目的で使用するLINEのチャットの会話において、円滑なコミュニケーションを図ることを目指し、LINEの利用の実態を明らかにすることを目的とするものである。 本研究により非母語話者のSNSを利用したコミュニケーションにみられる可能性と問題点を示し、日本語教育の視点から新しいビジネスコミュニケーション教育の実現に向けた提言をまとめる。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、収集したアンケート調査、インタビュー調査、SNSチャットの会話のデータを分析し、留学生のLINEの利用実態について明らかにした。具体的な研究実績を以下に示す。 ①研究代表者倉田芳弥(2024)「SNSチャットの会話における母語話者のスタンプの利用に関する日韓比較」(『拓殖大学日本語教育研究』9, 63-88)は、昨年度に行った日韓接触場面のスタンプの分析に続く研究であり、日韓両母語場面のSNSチャットの会話におけるスタンプの特徴を明らかにし、韓国語母語場面のスタンプの利用のスタイルが日韓接触場面の韓国人非母語話者のスタンプの利用スタイルに影響している可能性を指摘した。 ②研究代表者倉田芳弥(2023)「留学生のLINEの利用実態調査―アンケート調査・インタビュー調査・LINEチャットの会話の分析を中心に―」(学術講演会『日本語学習者の言語使用に着目した談話分析の可能性』2023年9月2日)では、留学生と日本人学生のLINEの利用実態についてアンケート調査、インタビュー調査、会話データを用いて多角的な分析を行った。アンケート調査ではコミュニケーション上の問題について「メッセージの漢字が読めない」のみ両者に有意差が見られたが、インタビュー調査の結果からは、日本人学生と留学生のアルバイトの上司に対するLINEのスタンプの使用の意識は異なることが示唆された。そこで、チャットの会話データからスタンプを分析したところ、文字付きスタンプの使用において非母語話者と日本語母語話者に違いがあることが明らかとなった。 ③分担者楊虹(2023)「中国語Wechatコミュニケーションに関する研究動向の概観」(『鹿児島県立短期大学紀要 人文・社会科学篇 (74), 1-18)では、中国語母語話者のWechatコミュニケーションの特徴を概観し、今後、相互行為的視点からの研究の必要性を指摘した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データについては、アンケート調査、インタビュー調査、会話データのいずれも収集することができている。 また分析及び研究の公開については、2023年度は1つの学術講演会で発表を行い、また2つの研究論文にまとめることができた(上述の研究実績の概要の①~③参照)。本研究では、アンケート調査とインタビュー調査と会話データの3つのデータを元に分析を行うことを計画しているが、2023年度は、3つのデータを用いて分析を行うことができ、複数のデータを用いることにより、より詳細に留学生のLINEの利用の実態に迫ることができた。また、留学生のLINEの利用実態を明らかにするためには、留学生の母語のSNSチャットの会話の特徴を明らかにし、母語場面での特徴が接触場面にどのような影響を与えているのか明らかにすることも重要であるが、2023年度では、日韓母語場面のSNSチャットのスタンプについてまとめた論文(上述①)、留学生の母語の一つである中国語を対象としたWechatコミュニケーションに関する研究動向をまとめた論文(上述③)を公開するなど、留学生の母語となる中国語や韓国語によるSNSチャットの会話の特徴を明らかにすることができた。 以上の点から、本研究はおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
期間を1年延長し、2024年度は、定例研究会を実施し、各自の分析結果について報告を行い個人の研究及び本研究の総合的深化を図る。特にアンケート調査について、さらに詳細に分析し、研究論文として研究成果を公開する予定である。また本研究の最終年度として、非母語話者のSNSを利用したコミュニケーションにみられる可能性と問題点を示し、日本語教育の視点から新しいビジネスコミュニケーション教育の実現に向けた提言をまとめる。
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