Project/Area Number |
21K00744
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02100:Foreign language education-related
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
佐良木 昌 明治大学, 研究・知財戦略機構(駿河台), 研究推進員 (20770960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阪井 和男 明治大学, 法学部, 専任教授 (50225752)
原田 康也 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (80189711)
森下 美和 神戸学院大学, グローバル・コミュニケーション学部, 准教授 (90512286)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 翻訳モード / 換言を介した翻訳 / 論理型翻訳 / 原文と換言と訳文との間における写像関係 / 翻案型翻訳 / 文芸翻訳 / 翻訳知識ベース / 換言の論理的根拠 / 判断表現と感情表現の論理構制 / 品詞変数化 / 意味分類体系 / 英文の換言法 / 和文の換言法 / 訳文における情報配列 / 翻訳文法 / 高度翻訳知識の導出 / 換言論理 / 品詞変数への置換による文型パターン |
Outline of Research at the Start |
高度翻訳知識は翻訳作品や記述英文法や文体論等に潜んでいるが、これら知識は意識的に取り出し定式化しない限り翻訳文法として理論化されない。そこで高度知識の導出という作業過程が必須になる。課題番号17K02987「高度翻訳知識に基づく高品質言語サービスの研究」において、換言を介した英訳方式を定式化し、品詞変数化による文型パターン抽出や対訳への注釈等といった翻訳知識の導出手法が開発された。これらを活用しつつ、和訳法に加えて英訳法についても、高度な翻訳知識(訳法・語法・修辞および換言法)を獲得し、その妥当性のコーパスでの検証を加えながら理論化することで、和訳法と英訳法とで構成する翻訳文法を構築する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度の研究において、翻訳モードを二つに区分して、統語構造の対応が原文・訳文の間でとれる(構造転換した場合も含めて)場合と、その対応が全く取れない場合とがあることを確認したが、2023の年度の研究においては、二つのモードそれぞれについて以下のように検討を深めた。 第一の翻訳モードは、語彙的、文法的、その他の面において原文と訳文とを対応させる翻訳の基本技法である。この対応関係が句や節のレベルそして文型の範囲において認定できる。この翻訳方法には、原文を言い換えたうえで上述の基本技法を採る手法や、連体節を連用節に言い換えることができるとき、連体節の英訳には関係代名詞節ではなく従属接続節や分詞構文を採用する手法もある。上記の翻訳方法の場合、原文と換言と訳文との間に写像関係を認めることができる。5Wsの配列は典型的な場合、和文は、「いつ・どこで」が先導するが、英文では「だれが・なにを」が主導する。句の構造においても、例えば形容詞累積構造に関して、和文では統語的制約が緩いが英語では制約が強いため日英翻訳では配列の問題が生じるが、原文と訳文との間に写像関係を認めることができる。 上の翻訳基本技法では訳文の意味が原文の意味とは大きく異なってしまう場合、二つ目の翻訳方法、翻案型の翻訳方法が採られる。表現構造が原文・訳文の間でまったく異なり、語彙的文法的な対応関係を原文・訳文の間に認めることができないが、相互間において意味的等価を認めうる翻訳である。約めて言えば、意味を汲んで訳文を創案するもので、これが意訳と云われることもある。具体的には、主に文芸の翻訳、とりわけ会話文の翻訳手法であって、日本文学の英訳に多く観られる。翻案型の翻訳では、場の雰囲気、会話の調子や語調、話者の性別・年齢、話者の気分、言いよどみなどを原文の表層や背後に読み取ることができる場合、原文にはない訳文を補充するのである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
翻訳文法体系の構想をより深めるために時間をかけて研究の掘り下げを行っている。学会参加、論文投稿を積み重ねるため、研究期間を延長した。翻訳方法に二つのモードを設けたためにモードの相互作用について解明する必要が生じたため研究完了がやや遅れている。研究協力者から翻訳技法資料(評注付き対訳データ)の提供を得たが本資料からの知見導出に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
翻訳文法の体系化を目指す。これまでの研究実績および前回科研費17K02987の成果を踏まえて翻訳文法の体系化構想をとりまとめる。 論理型の翻訳方法については、和訳技法では、単文の複文への変換を介した翻訳、名詞句構造と節構造との換言を介した翻訳(形容詞を伴う主部名詞句の条件節への換言を含む)、関係節と副詞節との換言を介した翻訳、動詞派生名詞主語と他動詞とによる文構造と主節従属節の構造との換言などを軸に整理する。英訳技法では、主格体言を修飾する連体節の連用節への換言を介した翻訳(具体的には、主節主部を修飾する連体節の意味が,a)付帯状況・原因理由・相反の場合は連用節へ換言を介した翻訳,b)予備的背景的情報の場合にはシテ形接続への換言を介した翻訳、そのうちの付帯状況の一部と後者b)については,分詞構文への翻訳が適切であるが、付帯状況には「状況的起因」が含まれており従属節相当への翻訳)、条件節の名詞句への縮退や換言を介した翻訳などを中心に編成する。 翻案型の翻訳方法については、文芸翻訳の技法を中心に更なる研究が必要であるので、その知見を深めることとする。翻案型の翻訳方法とは、表現構造が原文・訳文の間でまったく異なり、語彙的文法的な対応関係を原文・訳文の間に認めることができないが、相互間において意味的等価を認めうる翻訳である。約めて言えば、意味を汲んで訳文を創案するもので、これが意訳と云われることもある。主に文芸の翻訳、とりわけ会話文の翻訳手法であって、場の雰囲気、会話の調子や語調、話者の性別・年齢、話者の気分、言いよどみなどを原文の表層や背後に読み取ることができる場合、原文にはない訳文を補充する。文芸翻訳の技法には、その射程域に、多面的な小説文脈の幅広い要素、とりわけ会話文の多相性重層性を収めている。
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Report
(3 results)
Research Products
(30 results)