膠着剤のオリジナルな姿を後世に遺せるか―大豆系膠着剤の可逆的な修理法を探る―
Project/Area Number |
21K00825
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03010:Historical studies in general-related
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Research Institution | Gangoji Institute for Research of Cultural Property |
Principal Investigator |
大橋 有佳 公益財団法人元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (10804388)
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Project Period (FY) |
2022-02-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 紙本文化財 / 膠着剤 / 大豆糊 / 保存修復 |
Outline of Research at the Start |
古代~中世の紙の文化財には、大豆から作られた膠着剤が使われていることがある。この膠着剤は現在の技術では剥離することができないため、これらの作品を修理するときには、小麦澱粉系膠着剤に置き換えるのが一般的である。大豆系膠着剤を剥離できるようになれば、修理に用いることが可能になり、よりオリジナルに近い姿で後世に伝えることができる。そこで、本研究では、大豆系膠着剤の剥離方法の開発を目的とする。現存する作品資料に使われている大豆系膠着剤の調査に基づき再現試料を作成し、剥離強度試験により剥離処理の効果を評価することで、大豆系膠着剤の実用的な剥離方法を検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
古代~中世の紙の文化財には、大豆から作られた膠着剤が使われていることがある。この膠着剤は現在の技術では剥離することができないため、これらの作品を修理するときには、小麦澱粉系膠着剤に置き換えるのが一般的である。大豆系膠着剤を剥離できるようになれば、修理に用いることが可能になり、よりオリジナルに近い姿で後世に伝えることができる。そこで本研究では、大豆系膠着剤の剥離方法の開発を目的とし、現存する作品資料に使われている大豆系膠着剤の調査に基づき再現試料を作成し、剥離強度試験により剥離処理の効果を評価することで、大豆系膠着剤の実用的な剥離方法を検討する。 本研究は、(1)膠着剤の調査分析による材料や製法を推定、(2)それに基づいた再現試料の作成、(3)剥離強度試験による剥離法の効果の評価という3つの柱からなる。 2023年度は、昨年度に引き続き、膠着剤の材料や製法を推定することを目的として、経典類の接着に使用された大豆系膠着剤の調査分析を進めた。 奈良市内の寺院が所蔵する経典類の紙継ぎ部分に使用された膠着剤について、実体顕微鏡や拡大観察可能なデジタルカメラを用いた調査等を実施した。調査により得られたデータと、これまでの調査や試作試料の分析により得られたデータと比較し、製法の推定を行った。この成果は文化財保存修復学会にて発表した。また、古代の膠着剤で接着された古典籍を購入し、上記と同様の方法で新たに調査を行い、製法推定のための基礎データを蓄積した。これまでの調査分析により、膠着剤の製法が、当初想定していたよりも材料に多様性があることが推定された。したがって、計画している再現試料の作製のためには、さらなる作品調査が必要と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
膠着剤の調査分析により、製法や材料の多様性があることが推定されたことから、さらなる作品調査が必要と考えられたため、当初予定していた再現試料の作製にはいたらなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
膠着剤の製法を推定することを目的として、購入した古典籍や寺院等に所在する典籍類における膠着剤の分析調査をさらに進めて行く。これまでの分析調査により、膠着剤の多様性についても明らかとなってきたため、新たな膠着剤の再現試料を複数作成し、オリジナルの膠着剤との比較を行うための基礎データの集積を並行して行う。 また、再現試料を試作し、各種方法による予備実験を進め、膠着剤の劣化や剥離強度の最適な評価方法を選定する。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)