古代~近代陰陽道史料群の歴史的変遷と相互関係の解明
Project/Area Number |
21K00858
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03020:Japanese history-related
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Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
梅田 千尋 京都女子大学, 文学部, 教授 (90596199)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細井 浩志 活水女子大学, 国際文化学部, 教授 (30263990)
小池 淳一 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (60241452)
林 淳 愛知学院大学, 文学部, 教授 (90156456)
赤澤 春彦 摂南大学, 国際学部, 教授 (90710559)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 陰陽道 / 暦 / 術数 / 呪術 / 東アジア / 宗教史 / 民間信仰 / 暦学 / 天文 / 占 / 祭祀 |
Outline of Research at the Start |
近年、陰陽道研究の進展と史料発見により、平安期以降の展開が重要な論点となっている。陰陽道とは平安期の朝廷社会で一時的に流行した禁忌思想である、という旧来的な理解を超え、近世・近代に至る信仰文化として、各時代段階での実態と変容を描く段階を迎えている。また、古代陰陽道形成における技術と呪術の関係も見直されつつある。しかし、軸となる史料の所在や解釈について、十分な情報の共有がなされず、通史的把握には課題を残す。本研究では、陰陽道関連史料の時代区分と相互関係について、各時代および民俗学・宗教学の研究者が共同で検討し、体系的な把握につとめる。
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Outline of Annual Research Achievements |
2021年度の『新陰陽道叢書』(名著出版)全五巻完結を受け、「陰陽道史研究の会」「暦の思想史研究会」において書評会を行い、成果を学会で共有することが出来た。この書評会を受けて企画された論集『アジア遊学278 呪術と学術の東アジア――陰陽道研究の継承と展望』でも、共同研究者による論考を掲載し、それぞれの成果を発信することが出来た。 これらの成果は、研究目的で掲げた「異なる時代・分野を専門とする研究者が、陰陽道史料群の共同研究を行うことで、通史的解明を目指す」という内容に合致するものである。 また、宗教学会第81回学術大会においても、パネル発表「陰陽師の虚像と実像」を組み、共同研究・叢書刊行で得た知見に基づく新たな視角からの研究発表を行った。 さらにこの研究成果は、国立歴史民俗博物館での企画展「陰陽師とは何者か-うらない、まじない、こよみをつくる-」(2023年10月~12月)において展示という形で発信することが決定した。同展示は、古代~現代に至る陰陽道関連の歴史史料を体系的に収集し、紹介する。なかでも国立歴史民俗博物館所蔵奈良暦師吉川家文書を中心として構成するため、同史料の調査・分析を優先し、展示品候補となる史料調査を行った。 具体的には、梅田・小池が福井県おおい町名田庄の土御門家旧跡関係史料調査を進め、奈良での現地調査を行った。赤澤は、宇佐八幡宮周辺の寺辺陰陽師史料調査を継続した。林は暦学・科学史関係史料を調査し、細井は古代・中世の陰陽道関係史料の分析と吉川家文書との比較を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年目研究計画として掲げた下記の目標については概ね達成し、論集や学会研究成果を発信する事が出来た。また、次年度の博物館展示も決定し、若干の路線変更を伴いつつ、積極的な研究発信を続けている。 ①土御門家文書の祭祀関係文書の編年については、南都暦師吉川家文書との比較をふまえて多角的な分析を進めた。これにより、京都以外の地域における陰陽道祭祀の実態解明が進んだ〔梅田・林担当〕。 ②対馬藩関連史料についての合同調査は、感染拡大と日程不調で実現しなかった(長崎県対馬歴史研究センター 令和3年度より調査受け入れ開始予定)。が、既発見本の比較により、細井は古代・中世の陰陽道関係史料の分析と吉川家文書との比較により、陰陽師概念の深化や陰陽道書の伝来についてのあらたな展開が見られた〔細井担当〕。 ③引き続き宇佐八幡宮他、九州の地域大社や地域に伝わった陰陽道関連史料・典籍の調査を行った。〔赤澤担当〕 上記の当初計画以外にも、福井県おおい町土御門遺跡関係文書の調査・奈良周辺史料の調査〔梅田・小池担当〕、天文・暦学関係史料の情報収集〔林担当〕など、陰陽道的知識の伝播や独自の展開について研究を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度の研究となる3年目は、下記の様な方針で研究を推進する。 ①国立歴史民俗博物館での展示「陰陽師とはか-うらない、まじない、こよみをつくる-」にむけて史料の体系的調査を進め、図録・展示解説という形で発信する。また、展示に伴う調査成果を論文・学会発表・講演という形で発信する。 ②福井県おおい町名田庄地域に残存する土御門家遺跡関連史料・陰陽道関係史料に関する展示計画に向けて調査・分析を進める。 ③展示のために調査した史料群間の比較を進め、陰陽道関連史料群における史料名・分類の標準化を進める。また、仏教・神道・修験道など関連する信仰史料との比較研究への論点整理を行う。 ④最終年度の総括として、これまでの成果を出版もしくは学会報告によって成果を発信する。
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Report
(2 results)
Research Products
(45 results)