初期イスラーム時代歴史叙述におけるカリフ観の史料間比較分析
Project/Area Number |
21K00901
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03030:History of Asia and Africa-related
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
亀谷 学 弘前大学, 人文社会科学部, 准教授 (00586159)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | カリフ / 歴史叙述 / 史料論 / 初期イスラーム時代 / アラビア語写本 |
Outline of Research at the Start |
本研究課題は、初期イスラーム時代(西暦7-9世紀)研究の基礎史料である6種の歴史叙述作品の中のカリフに関する記述を比較・分析し、個々の作品の史料的性格とそれらの間に存在する差異について考察することで、初期イスラーム時代の歴史叙述にどのようなカリフ観が反映されているかを明らかにする。さらにそれを通じて、初期イスラーム時代研究の最重要課題として取り組まれてきた歴史叙述の信頼性をめぐる問題を、これまで限定的にしか利用されていなかった写本史料を利用しながら検討し、初期イスラーム時代史に新たな研究の手法を提示することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、初期イスラーム時代(西暦7世紀から9世紀)研究の基礎史料である6種の歴史叙述作品の中のカリフに関する記述を比較・分析し、個々の作品の史料的性格とそれらの間に存在する差異について考察することで、初期イスラーム時代の歴史叙述にどのようなカリフ観が反映されているかを明らかにするものである。 2022年度に行った研究として、カリフに関する歴史叙述の比較・分析については、アリーとムアーウィヤの間でカリフ位が争われた第一次内乱について、その最も大きな戦いとなったスィッフィーンの戦いを中心とする叙述のあり方を分析した。これについては、8月に弘前大学において開催した第3回中世中東史料研究会において、「スィッフィーンの戦いと歴史叙述」として報告し、また、10月に行われた日本オリエント学会第64回大会個別報告において、「初期イスラーム時代カリフ政権と書物としてのクルアーン」という口頭報告を行った。 また、初期イスラーム時代の史料論全体を見通す試みとして、『岩波講座世界歴史8 西アジアとヨーロッパの形成 8-10世紀』の一章として、「初期イスラーム時代の史料論と西アジア社会」を発表した。そのほか、ヤアクービー『歴史』の翻訳の一部を弘前大学人文社会科学部の紀要にて発表した。 なお、COVID-19流行の影響が収まりきらない中で、海外での関係写本調査・収集についてその準備を行うにとどまったが、ヤアクービー『歴史』の、現行の校訂に含まれない写本についての分析を進めた。研究協力者との間の研究会、読書会、打ち合わせについても、一ヶ月に一度程度オンライン上で行っているほか、第3回中世中東史料研究会では研究協力者4名(1名はオンライン)に加えて、2名のゲストを迎え、柳谷あゆみ氏による「ザンギー朝の「アターベク」史料」の報告を含め、本研究課題についての充実した議論が行われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
COVID-19の流行が収まりきらない中、歴史叙述の部分を中心に作業や研究を進め、一定の成果を出すことができたという点で、おおむね順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度には本年度に実施できなかった海外における写本調査等を行う。また、昨年度に実施できなかった当該科研のメンバーを中心としたパネル報告の準備、また国際学会での報告に向けたアプライ等も行う一方で、これまでの研究成果を論文化を急ぐ予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)