ハワイにおける日系水産業の歴史的展開と太平洋史の構築への模索
Project/Area Number |
21K00930
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03040:History of Europe and America-related
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
小川 真和子 立命館大学, 文学部, 教授 (60443610)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | ハワイ / 日本人水産業 / 日米関係 / ジェンダー / 漁村文化 / 第二次世界大戦 / ハワイ日系人 / 金刀比羅信仰 / 沖縄戦 / ひめゆり部隊 / ハワイ金刀比羅神社 / アメリカ司法省 / GHQ/SCAP / 日系ハワイ移民史 / 日系水産業 / 太平洋史 |
Outline of Research at the Start |
本研究はハワイの日系水産業について、3期に分けて実証的に検証する。第1期は日本の協力のもとで水産業振興策が推進された1920年代後半から30年代、第2期は悪化する日米関係の中でハワイにおける日系水産業の保護や食糧問題をめぐる論議が続いた1930年代後半から第二次大戦時、そして第3期は戦後の太平洋におけるハワイの水産業の拡大とマーシャル諸島での核実験が始まった1940年代中盤から後半である。各時期において中部太平洋の水産利権を巡って向き合う海洋国家日本とアメリカ、およびそれらの中心に位置するハワイの関係性を明らかにし、近年提唱されている太平洋史の構築へ向けた新たな視点の提供を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は昨年度に引き続き、ハワイ大学出版から出版を予定している『Oceanic Japan: The Archipelago in Pacific and Global History』の分担執筆論文、「Sampan and Uncle Sam: The Collaboration and Confrontation between Hawai`i and Washington during the Mid-twentieth Century over Japanese Sampan Fishing in Hawaiian Waters」の仕上げへ向けた作業を行った。 その作業と並行しつつ、水産業と直接的な関わりはないが、太平洋世界の構築とその史的展開に強く関連する新たな研究にも着手した。具体的には1874年に禁酒運動推進を掲げてアメリカ中西部で形成され、オセアニアや日本、中国を含む世界組織となったWorld Woman’s Christian Temperance Union (WCTU)の活動を取り上げ、19世紀後半から第二次世界大戦終了期までにおける太平洋のキリスト者女性の交流についての一次資料・二次資料収集を行うとともに、単著出版へ向けた執筆を進めた。 さらに昨年度、着手した沖縄戦におけるひめゆり部隊に関連する研究報告を女性史総合研究会において行うなど、「太平洋と水産業」を主なテーマに、様々なサブテーマに関連する研究を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究課題はコロナ禍のため、研究開始時から数年間、渡米して一次資料収集にあたることが出来なかった。そのため、既に入手している一次資料の読み直しなど、研究方法の大幅な変更を余儀なくされた。また複数の著者による著作『Oceanic Japan: The Archipelago in Pacific and Global History』の出版も、他の著者がコロナに罹患するなどのため、当初予定よりは大幅に遅れることとなった。 しかしその一方で、本研究着手時には想定していなかった、日本キリスト教婦人矯風会とその母体であるWoman's Christian Temperance Unionに関連する研究が進展し、単著出版へ向けた新たな研究活動に結び付けることが出来るなど、思わぬ副産物があったことも事実である。そのため、当初予定以上に研究が順調に進展していると評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は本研究の最終年度にあたるため、『Oceanic Japan: The Archipelago in Pacific and Global History』および『女たちの日米関係(仮題)』の出版実現を目指す。その一方で、新たに「太平洋世界の史的展開」と題した次の研究プロジェクトを立ち上げ、これまで太平洋世界の史的構築に貢献した様々な人々や情報、物質、資金などの動きを網羅的に理解するための新たな研究も着手する。このプロジェクトにはベテランから若手も含めた他の研究者も参加する予定であり、本研究を母体としてさらにそれを発展させる予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(5 results)