A triad for improving Britain in the age of reform: agriculture, science, and philanthropy
Project/Area Number |
21K00944
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03040:History of Europe and America-related
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Research Institution | Tokyo Woman's Christian University |
Principal Investigator |
坂下 史 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (90326132)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | イギリス / 18,19世紀 / 農業 / 科学 / フィランソロピー |
Outline of Research at the Start |
本研究は、アメリカ独立からフランス革命を経て第一次選挙法改革へと至る「改革時代」のイギリスにおいて、政治社会を安定させて人々の幸福を増大するという目標の下、農業、科学、フィランソロピーが結びつくユニークな「トライアド=三つ組」が現れたことの意味を考える。専門分科が進んだ現在から見ると、結びつきを想定し難い三者が、どのような状況下で関連度を高めたのかを明らかにし、それが当時のヨーロッパで知識伝達や社会改良、さらには国家運営をめぐる議論の場で一定の存在感を保持したことを示す。ここから得られる知見は、社会における専門知の立ち位置、社会改良と国家・政府の関係といった問題を考える際の参照系となろう。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、アメリカ独立からフランス革命を経て第一次選挙法改革へと至る「改革時代」のイギリスにおいて、政治社会を安定させて人々の幸福を増大するという目標の下、農業、科学、フィランソロピーが結びつくユニークな「トライアド=三つ組」が現れたことの意味を考える。専門分科が進んだ現在から見ると、結びつきを想定し難い三者が、どのような状況下で関連度を高めたのかを明らかにし、それが当時のヨーロッパで知識伝達や社会改良、さらには国家運営をめぐる議論の場で一定の存在感を保持したことを示す。 具体的には次の手順で研究に取り組んでいる。①先行研究の検討を通じて「農業、科学、フィランソロピーのトライアド」に関する歴史的研究を進めるための新たな分析視角を構築する。②内外の研究者と意見交換の場を持つ。③三つの事例研究を通して上記トライアドの実態解明(史料研究)に取り組む。 これまでのところ、このうちの①と③を中心に研究を進めてきた。②に関しては、パンデミックの影響で、研究開始以来メール等による限定的な情報交換に留まってきた。23年度は夏期に約10日間のイギリス出張を実施することが出来た。この際には、研究交流を続けているJoanna Innes氏は海外出張中でと直接面談する機会を持てなかった。しかし、その後のメールでの交流を通じて、氏が同僚らと進めているRe-imaging democracy projectのうちの既発表成果のなかから、本研究に深く関係する部分について日本で翻訳出版をめざす計画が話し合われた。これは本研究に深く関わるので、具体化に向けて調整を進めている。 その他、①と③は昨年度から進めている研究活動を継続した。今回の出張期間だけではまだ不十分な部分があるので、次年度に継続する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画では、主な検討対象として設定した三つの事例、すなわち、事例A(「農業委員会(Board of Agriculture)とJohn Sinclair」)、事例B(「ロイヤル・インスティテューションとCount Rumford」)、事例C(「ホウカム(Holkham)農場とEdward Rigby」)のうち、特に事例Cについて、2023年度に集中的に調査を進めることになっていた。そして、農業振興活動とフィランソロピーがどのような部分で接点を持っていたのかを、当時の時代状況のなかで明らかにする計画であった。フィランソロピーと農業の協働による人類の幸福増大を唱えた医師Edward Rigbyに注目し、その思想と実践を解明することで、とりわけ当時の医者が社会問題や農業問題をどう捉えていたのかを捉える予定であった。しかしながら、事例Aと事例Bの調査が継続しており、渡英調査でもそちらを優先することになった。このため事例Cについては、計画したような結果を得られていない。対応としては、予定していたことの一部を縮小した上で次年度以降に持ち越し、具体的な研究対象の範囲をRigbyが執筆した農業関係の出版物の内容分析に絞るといったことを考えている。当初計画からの後退となるとが、期限内に研究成果をまとめるために、やむを得ない判断だと思われる。 また、事例Aと事例Bについてもパンデミックの影響によるプロジェクトのスタート時点での遅れの影響は拭いがたい。こちらについても当初の予定から計画の一部変更する必要が生じるかもしれない。これについては、今年度の前半の研究の進捗状況を踏まえて、年度後半に研究期間の延長を含めて考えていく。 上記のような理由で全体計画に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
上述のように、本研究は三つの事例を検討している。 このうちの事例Aにあたる「農業委員会(Board of Agriculture)とJohn Sinclair」については、当初は2021年度から2022年度に、集中的に調査検討を進める計画だった。しかし、海外調査や研究者との意見交換に計画通りに進められない部分が生じ、予定の一部を23年度にまで持ち越した。事例B(「ロイヤル・インスティテューションとCount Rumford」)についても、科学知識の普及やロイヤル・インスティテューションの提唱者で、科学と貧民救済と農業の結合を主張した物理学者Count Rumfordの思想と行動の解明は未だ途上にある。事例C(「ホウカム(Holkham)農場とEdward Rigby」)については、農業委員会の一員トマス・クックのホウカム農場での試みを世に広めた医師Rigbyの思想と活動を再検討する(2024年度)。事例Cについては、すでに一定程度の研究蓄積があり、史料収集も進んでいるので、24年度に集中的に進めることができるようにしたい。 ここまで全体計画に生じている遅れについては、プロジェクト最終年度に可能な限り取り戻すことを試みる。ただし、その過程で当初計画の部分的縮小の必要性が見えてきた場合は、検討する事例を絞るといった対応も考えられる。 たとえば、事例Bについては、24年度における研究の進展状況によっては、本プロジェクトにおける調査を予備的なものに留めて、本格的な検討は次のプロジェクトにまわすといった当初計画の一部を断念する決断を下すことも、場合によっては念頭におかなければならない。
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)