国土周辺地域における航空宇宙産業の立地と再編に関する研究
Project/Area Number |
21K01052
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 04020:Human geography-related
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Research Institution | Takasaki City University of Economics |
Principal Investigator |
山本 匡毅 高崎経済大学, 地域政策学部, 教授 (30455555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 章夫 法政大学, 経済学部, 教授 (60425725)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | ボーイング社 / 新型コロナウイルス / グローバルサプライチェーン / 受注回復 / 減産 / 地場調達化 / エアバス社 / 宇宙産業 / 発注元 / アイテム / 国土周辺地域 / 航空機産業 / 業態転換 / 新規参入 / スタートアップ企業 / 航空宇宙産業 / コモディティ化 / 技術 / 立地 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、航空宇宙産業について、特に国土周辺地域における立地と再編を分析するものである。当該産業の立地は伝統的には大都市圏が集積地であり、1980年時点で国土周辺地域にはほとんど立地していなかった。国土周辺地域において航空宇宙産業の立地が拡大した背景には、コストダウンを伴う市場拡大とNC5軸加工機の普及による技術水準の向上によって同部品のコモディティ化が進んだことが存在している。本研究は航空宇宙産業を設備投資、認証対応、発注企業からの指導を通じて加工できるコモディティ化製品で構成される産業であると捉え、国土周辺地域において進む航空宇宙産業の立地と再編のプロセスの解明を目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は国土周辺地域の航空宇宙産業の調査を進めた。主に東北地方の航空宇宙産業を重点的に調査したほか、群馬県の宇宙産業の調査も行った。調査はヒアリング調査による質的調査とした。 調査の結果、国土周辺地域である山形県では、1980年代から航空機産業に関わっている企業では、順調に受注が回復していた。また2000年代から2010年代に新規参入した航空機産業の企業のうち、Tierが高い企業で、かつ発注企業が航空機産業においてポジションを得ている企業では、2023年中頃から急速に受注の回復が見られた。他方で、同様の新規参入企業であっても、発注元の航空機産業におけるポジションが低い場合には、仕事が出てきていない状況である。さらに受注の回復は、機体、装備品が早く、内装品が遅れるということも明らかになった。ただし、ボーイング社のトラブルの影響で、一部の企業では減産の影響が出ており、グローバルサプライチェーンの影響を直接的に受けていた。このような経緯から、山形県内の航空機関連企業1社では、航空機の受注を中断し、元々の業種の事業に集約していた。 宇宙産業では、群馬県内でJISQ9100を持たない中小企業のうち、複数社で大手重工メーカーから受注を受けていた。量的には多くないものの、サプライヤーが東京都周辺に多い大手重工メーカーの地場調達化を確認することができた。 かかる結果から、中心地域(関東地方)では、中核企業の立地という優位性から宇宙関連の仕事が出ていたが、国土周辺地域であり、中核企業がない東北地方では、航空機関連の仕事の戻りに波があり、加えてTierのポジションで仕事量が異なっていた。このことから国土周辺地域への航空宇宙産業の立地は変化しつあり、中心地域からみて競争力に課題があることが浮き彫りになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度は、学内で大学院改革が始まり、その担当になったこと、および全学の学長直属の委員会委員になったことから、従来業務より学内業務が倍増した。さらに10月以降は転出する関係で、その準備にも追われた。そのため、研究に割ける時間が限られ、研究の進捗が遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である2024年度は、当初の計画通り、アンケート調査を行いたいと考えている。それによって、全国の航空宇宙産業がどのようなサプライチェーンを組んでいるのが定量的に明らかになるものと考えている。また国土周辺地域でありながら航空機産業で活況を呈している北海道、長崎県のヒアリング調査を進める予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)