中国における「刑事的なるもの」の実証的・理論的・歴史的考察
Project/Area Number |
21K01099
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 05010:Legal theory and history-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
坂口 一成 大阪大学, 大学院法学研究科, 教授 (10507156)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 中国法 / 比較法 / 「刑事」概念 / 「刑事」の本質 / 民刑峻別 / 刑事法 |
Outline of Research at the Start |
刑事・民事・行政の区別は法の基本観念・法学の根幹問題であり、また国・時代により多様であることから、外国法認識の出発点でもある。だが中国のこれら3者――相互に作用し合い、また交錯もする――の区別(各概念の解明)は、なお十分になされたとはいえない。そこで本研究は「刑事」に焦点を合わせ、中国における「刑事的なるもの」とは何か、およびなぜそうなっているかを実証的・理論的・歴史的に解明することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
刑事・民事・行政の区別・関係は法の基本観念・法学の根幹問題であり、また国・時代により多様であることから、外国法認識の出発点でもある。本研究は刑事に焦点を合わせ、中国の《刑事》的なるものとは何か、およびなぜそうなっているのかを実証的・理論的・歴史的に解明することを目指す(《 》は中国の概念であることを示す。以下同じ)。 4年計画の2年目である2022年度は、「犯罪」処理実務(観念的には犯罪が成立しうるが、結果的に犯罪とされなかった場合も含む)における《刑事》上の措置およびそれと《民事》・《行政》の区別・関係の実像の解明を進めた(上の実証的解明に直接的につながる)。具体的には故意傷害事例、特に刑事責任追及を必要とするかの下限に位置するそれに焦点を合わせ、賠償等と刑事・行政責任追及の関係の具体的なあり方を考察した(例えば賠償することにより被害者が宥恕した結果、量刑が軽くなる、あるいは刑事手続を打ち切るが、行政処罰を科す)。 その主な素材は次の3点である。すなわち①裁判例等の具体的事例、②いわゆる「刑事和解」(犯罪による損害の回復に関する刑事事件の被疑者・被告人と被害者との間の和解。刑事上の寛大な取扱いをもたらし得る)に関する研究、③オンラインによる中国の実務家に対するヒアリング調査である。なお③については当初の計画では、中国に出張して現地で実施する予定であったが、新型コロナウイルスの感染状況等により、断念した。 また第7回大阪大学豊中地区研究交流会のポスターセッションにおいて「中国の特色ある民事と刑事の関係――なぜそうなるのか?」(本課題の前身課題の成果および本課題の中間的成果に当たる)を報告し、参加者と意見を交換した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
関連事例・文献の収集・読解・整理は基本的に当初の計画通りに進めることができたと考えられる(上記実績①②参照)。また中間的成果の報告を通じて、知見を整理することもできた。 他方、新型コロナウイルスの感染拡大等により、現地でのヒアリング調査および資料収集を実施できなかった点で、必ずしも順調であったとはいえない。もっとも、申請時点でこうした事態が継続することはある程度織り込んでいた。またヒアリング調査については、ビデオ会議を活用することにより、ある程度その不足を補うことができた(上記実績③参照)。また、資料収集についてもオンラインで現地の書籍を検索・注文することができることから、近年出版されたものについては基本的に支障を来さなかった。 以上のことから、全体としてはおおむね順調に進展させることができたと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も基本的に研究計画に沿って進めていく。なお現地調査については、少なくとも研究活動がスパイ活動とみなされるリスクが高まっていることから、実施の見通しは立っていない。特段の支障なく中国に渡航できるようになるまでは、これまでのようにインターネットを活用して不足を補っていく。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)