Project/Area Number |
21K01111
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 05010:Legal theory and history-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐藤 団 京都大学, 法学研究科, 教授 (30612387)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | ザクセン=マクデブルク法 / ザクセンシュピーゲル / マクデブルク法 / 中・東欧法史 / 中世都市法 / 学識法 / 国民社会主義 / 法の継受 / ポーランド法 / EU |
Outline of Research at the Start |
本研究は「ザクセン=マクデブルク法」を通して中・東欧の法的伝統を解明することを目的としている。その際、「ザクセン=マクデブルク法」と中・東欧地域の法との関係及び相互作用を、実際の裁判や法の運用についての史料を読み解く中で明らかにしていく。 こうした作業は現在進行中のEU規模での法の変化を考える上での重要な基盤を提供するものである。また、中・東欧法史という新たな視点を紹介することで、日本における西洋法制史学の一層の拡充を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、前年度に行った研究と内容的に連続する部分の作業を進めた。それは、東・中欧にひろく伝播したザクセン=マクデブルク法の基本史料たる法書ザクセンシュピーゲル(13世紀前半に成立)を、近世の人々(学者・実務家)がどのように受けとめ、必要な修正を施そうとしたのか、という点の検討である。 古くから使われている法が必ずしも時代にあったものではなくなったと感じられる場合に、(A)それに代わる新しいものを創る、あるいは(B)手を加えつつ引き続き運用する、という選択肢が考えられうる。前年度ではザクセン法圏における事例として、後者(B)のパターンを検討した(具体的にはツォーベルによる新しい刊本やクリンクによる体系化の試み)。今年度は主に前者(A)のパターン、つまり新しい何かを創るというケースを検討した。具体的にはザクセン選帝侯領内での「新しいザクセン法」の創造が検討対象となる。このテーマに関して論文公表に向け作業を行った。残念ながら成果の公表自体は次年度に積み残しとなった。 こうした作業と並んで、昨年度から引き続き、ザクセン=マクデブルク法研究が盛んにおこなわれた19世紀末から20世紀前半にかかる時期の法史学史について検討を深めた。昨年度に行われた国際会議での報告を基にしているものの、その場で提起された新しい視点を加えて日本の(西洋)法史学をヨーロッパでの同時代の法をめぐる動きのなかに位置づけて再整理する作業を行った。その成果については、まもなくドイツ語とハンガリー語で国際共著論集として刊行される予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究課題にとっては中・東欧地域での現地調査が必要不可欠であるが、国際情勢との関係で、渡航を控えざるを得なくなった。このため必要な現地調査ができず研究計画の大幅な遅れが生じている。また本研究課題と関わる検討を進めていくうえで、比較の観点から検討対象を増やす必要が感じられ、そうした部分の検討に時間を割いたため、本来の予定よりも進行が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
渡航調査については、情勢を見極めつつ計画を立てる予定である。さしあたり、文献・資料を中心とした検討が中心となる。近世において、マクデブルク法とザクセンシュピーゲルが、ローマ法や教会法といった学識法の影響を受けつつ、どのように各地で変容しつつ伝播していったのかについて、引き続き検討を加えていく予定である。また、研究史や法の受容といった関連するテーマについても比較的観点から検討を加えていく予定である。
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