A Legal Theoretical Inquiry into the Rule of Law: The Case of Japanese Law
Project/Area Number |
21K01116
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 05010:Legal theory and history-related
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
郭 舜 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (30431802)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 法の支配 / 国際法 / 国内法 / 法の継受 / 法典整備 / 近代化 / 法のクレオール / 目的論的解釈 / 治安維持法制 / 法内在道徳 |
Outline of Research at the Start |
日本における法の継受に伴う最も深刻な負の側面は、法律家(学者および法曹)共同体が「法の支配」を真剣に受け止めていない点にある。本研究は、L. フラーの法内在道徳の概念や戦後ドイツの論争などを参照しつつ、このことを明らかにする。法の支配に対する真の理解の欠如が、戦前と戦後の日本に共通した問題であることを指摘するとともに、法の支配の要求を真剣に受け止めることで初めて法の名に値しない体制の出現に対する学的・実践的応答がなしうることを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、昨(2021)年度に引き続き、国内およびグローバルな法の支配の理論や思想、歴史に関する日本・海外の先行業績の資料収集を行うとともに、法の支配の理念に関する一般法理論的な検討を進め、研究の一部の公表を行った。単著『国際法哲学の復権』においては、法の支配こそが法を法たらしめる理念であること、そこには国際法を通じた国内法体系間の相互尊重が含まれることを示した。 この知見がもたらすののは、日本法における法の支配は、その内部で自己完結するものではなく、国際法への向き合いかたという側面を必然的にもつことへの理解である。このことは、グローバル化の中で立憲主義的人権保障が国際化する傾向にあるというにとどまらず、そもそも歴史的に見て国内における法の支配の確立が、グローバルな主権国家体制の成立・普遍化によって要請されてきたという歴史的文脈に照らして理解されねばならない。 法治国家や法律の留保などの原理・理念は、国内における貫徹という観点からのみ論じられがちだが、そこで言及される法が法の名に値するためには、他の法体系によって正当に法と見なされるための根拠(つまり法の支配)を備えていなければならないとすれば、公法学をはじめとする実定法諸学における法理解や法解釈態度にも再考が促されることになる。また、法の支配が国際法への対しかたにも関わるのだとすれば、国際法上の義務の形式的な遵守だけでなく、その形成・発展について積極的に関与することが、日本の外交政策にとって重要な意味をもつはずである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の一番の収穫は、単著を出版し、その中で研究成果の一部を公表できたことである。今後は合評会なども予定されており、これを元にした意見交換を通じて研究を進展させることができる。基盤作りができたという点は、計画以上に進展しているといえる。 他方、新型コロナウイルス感染症の影響がなお残る中、国際学会の開催が延期となったり、航空券の価格が高騰したりしたために、海外の研究者との意見交換は思うように進展していない。この点では、計画よりは幾分、進捗が思わしくない部分もある。 上記を総合的に勘案すれば、概ね順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度、出版に漕ぎつけた単著の合評会が開催される予定であるため、これを通じて、日本における法の支配をグローバルな法の支配と結びつけつつ、より具体的に捉える手掛かりを得る。また、9月の神戸レクチャーなど国際学会などへの参加を通じて、研究の最新動向を知るとともに他の研究者との意見交換を図る。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)