Project/Area Number |
21K01172
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 05030:International law-related
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Research Institution | Osaka Gakuin University |
Principal Investigator |
繁田 泰宏 大阪学院大学, 法学部, 教授 (40298790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保井 健呉 同志社大学, 法学部, 助教 (00844383)
鳥谷部 壌 摂南大学, 法学部, 講師 (40823802)
阿部 紀恵 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 助教 (30910856)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 相当の注意 / 国際環境法 / 国際人道法 / 武力紛争法 / 防止義務 / 予防原則 / 予防措置をとる義務 / 環境損害 / 武力紛争 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、武力紛争との関連で生じる環境損害の防止の問題を、交戦国、企業及びその管轄国の「相当の注意」義務という観点から統一的に検討しようとするものである。 ここでは、平時の環境損害防止義務のうち、武力紛争時に適用されるものは何か、それは武力紛争法によりいかなる修正を受けるか、を究明することが、第1の課題となる。 また、武力紛争の前又は後に、どのような環境損害防止義務がいかなる根拠でどのように機能し得るのか、を検討することが、第2の課題となる。 さらに、企業とその管轄国に対し、武力紛争との関連でどのような環境損害防止義務がいかなる根拠でいかにして課せられ得るかを検討することが、第3の課題となる。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、2024年3月27日(水)に研究会が開催され、以下の研究報告が行われた。①「武力紛争中及び占領中の天然資源の収奪に対する金銭賠償――2022年コンゴ領軍事活動事件ICJ判決の評価――」(繁田泰宏)、「気候変動と武力紛争の接点および企業の環境保護責務をめぐる最近の議論状況」(阿部紀恵)、③「占領地域に適用される慣習国際環境法の射程:国際人権法の占領地域への適用との比較において」(保井健吾)、④「武力紛争に関連して環境損害を生じさせた企業とその管轄国の法的責任」(鳥谷部壌)。 ①は、武力紛争中及び占領中の天然資源の収奪に対する金銭賠償の算定に関し、2022年コンゴ領軍事活動事件ICJ判決で採用された「税代用」手法の意義と問題点を検討したものである。②は、最近の気候変動訴訟との対比において、武力紛争に関連する「企業の環境保護責務」の構築可能性を述べたものである。③は、国際人権法との対比において、慣習国際環境法の占領地域への適用可能性を論じたものである。④は、武力紛争に関連する環境損害防止のための「企業とその管轄国の『相当の注意』義務」の検討を、最近の判例や国際文書を基に行ったものである。 このうち、特に②と④は、これまで本科研での研究が遅れがちであった「企業とその管轄国の『相当の注意』義務」について検討を行ったものであり、未だ試論の段階に留まるとはいえ、非常に意義のあるものである。 研究期間全体を通じて、武力紛争中の国家の「相当の注意」義務の内実が明らかにされ、また占領中の国家の「相当の注意」義務を検討する際の視点も明らかにされた。さらに、「企業とその管轄国の『相当の注意』義務」を今後概念構成していく際に有用となる手がかりが得られた。
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