A Study on Drawing and Reading the Mechanism of Influence of Mental Disorder on the Offense in the Criminal Responsibility Assessment
Project/Area Number |
21K01192
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 05050:Criminal law-related
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
岡田 幸之 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (40282769)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 刑事責任能力 / 精神鑑定 |
Outline of Research at the Start |
刑事責任能力判断における精神科医と法実務家の役割分担を整理した「8ステップ構造モデル」は法廷でも利用されている。このモデルのステップ4の「精神障害および精神障害以外が本件犯行に与えた影響の“機序”」が鑑定人と法律家を結ぶ重要な領域である。しかし現状では、この“機序”を精神科医がどのように描き、法律家がどのように読み解けばよいのかが不明確である。本研究では「責任能力に関する刑事裁判例集」に収載された判例を中心的な題材として、(Ⅰ)“機序”の描出例を作成し、(Ⅱ)そのどのような要素が法律判断の前提事実となるのかをまとめし、(Ⅲ)その整理と分析から“機序”の描出方法と読解方法を確立する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の中核となる作業は、「責任能力に関する刑事裁判例集」の事例分析である。最終的にはこの裁判例集に所収されている全235例を精神医学的に分析し、 とくに「機序」の具体的な描出(主として精神科医による作業)と読解(主として法律家による作業)の方法を提案することである。 2022年度には、これまでに提案している8ステップ構造モデルを基礎として事例分析を着実に進めた。このことにより、機序の描出については、<犯行機序>と<精神現象機序>の2つを定義した。このうち犯行機序については、犯行生成的機序と犯行形成的機序に分類した。機序の読解については、意味胃性質の弁識能力(NQ;nature and quality)、善悪の弁識能力(RW;right from wrong)、衝動抑止の能力(RI;resist impulse)、意思行為一致の能力(CC;conform conduct)の4つを定義した。これらの整理をもとに、刑事責任能力の判断の方法を構造的に考察し、とくに総合的な評価の方法論の提案の基礎を提案する段階に至った。そして、当該年度中に、その成果を論文として発表した(岡田幸之:法律家による刑事責任能力判断のための機序読解方法論ー8ステップ構造モデル理論を超えて.判例時報2537号74-92頁2023年)。 このように本研究は順調に推進することができており、全体的にみるならば、現時点では予定通りの進行ができて いるといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究成果をすでに論文発表をすることができており、当初は最終年度に報告を完成する予定であったが、すでに十分な成果達成に至っているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
すでにまとめた成果(2つの機序と4つの能力による評価)をあらたな軸として、あらためて235例について分析をすすめ、方法論をさらに確立したものにしていく計画である。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)