Project/Area Number |
21K01205
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 05050:Criminal law-related
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
城 祐一郎 昭和大学, 医学部, 教授 (20838792)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 如乃 昭和大学, 医学部, 講師 (40828307)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 海外での実態調査 / 安楽死 / 尊厳死 / 終末期医療 / 自己決定権 / ガイドライン |
Outline of Research at the Start |
まず,国内での調査においては,終末期における患者及びその家族の死に対する意識,感情などの内心面について,公認心理士によるインタビューなどによってきめ細やかに聴取することで,その真意に基づく意思,意向などを十分かつ正確に把握し,また,既に,尊厳死法制などを有しているオランダ,ベルギー,米国,オーストラリア,スイスなどの国々における制度の実情を調べて把握し,また,それら諸国の人々の当該制度への受け止め方などをも直接に聴取することによって,我が国における安楽死・尊厳死法の制定に向けたサポートとなる資料,情報及び考察を提供できることになるものと考えている。
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Outline of Annual Research Achievements |
海外の安楽死・尊厳死の実情の調査として,研究代表者において,令和5年12月中に,ドイツ連邦のゲッティンゲン大学を訪問し,同大学の教授らと,ドイツにおける臨死の患者らに対する自殺幇助を合法化するかどうかの議論に参加し,多くの知見を得た。ドイツでは,伝統的に,自殺幇助罪を設けていなかったが,スイスに始まった自殺介助団体の活動等を規制するため,一定の要件を課した上で,幇助行為を違法とする刑法改正を行った。しかし,数年後,これが憲法裁判所で違憲とされたことで,刑法の同条項が無効となり,その後,新規立法を試みている段階で,訪独したのであるが,改正のための議論が,百家争鳴状態であって,その集約は容易ではなく,ドイツ国民の意思としても,臨死介助として,自殺幇助を容認するかどうかも意見が分かれていることなどが判明した。 また,国内の実態調査としては,当大学横浜市北部病院の緩和ケア病棟の西木戸医師らと連絡を取り合い,患者らに対する質問事項について,時間をかけて練り上げて完成させ,現在,昭和大学倫理委員会の承認待ちの状態である。これが承認されれば,速やかに,共同研究者小林准教授による臨死患者のインタビューが実施されることになっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要の欄で説明したように,ドイツ連邦における臨死状態の患者への対応について,国民の意見も分かれており,法改正に当たっても,連邦議会では,賛否両論となる上,仮に,自殺幇助を認めるにしても,その要件について,様々な意見が出されていることに鑑みると,我が国において,臨死状態の患者らに対する安楽死・尊厳死についても,そのハードルを越えて立法化するには,国民への問題意識の浸透,学者,法律事務家,医療関係者ら様々な立場の者らの意見集約などを,より積極的に行う必要があることなどを深く認識することができ,その関係では,公表するに値する情報等を獲得することができるに至っている。
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Strategy for Future Research Activity |
訪独した際のドイツ連邦の法学者らとは,その後も連携が取れるようになっており,その後のドイツにおける立法の動きなどの情報を入手することができるので,本研究の期限までの間ではあるが,ドイツにおける立法の動きは把握できるようにしてある。 また,残された期間において,米国やオーストリアにおける安楽死・尊厳死立法についても,調査対象を広げて,更なる,知見の獲得に向けて努力する予定である。
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