Project/Area Number |
21K01250
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 05060:Civil law-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松井 和彦 大阪大学, 大学院高等司法研究科, 教授 (50334743)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 契約不適合 / 履行に代わる損害賠償 / CISG / 追完 / 損害賠償 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、契約不適合を理由に買主(注文者)が追完に代わる損害賠償を請求する際に、これに先行して売主(請負人)に追完の機会を保障する、すなわち相当期間を定めて追完の履行を催告する必要があるのか、それとも直ちに追完に代わる損害賠償を請求することができるのか、という問題について、比較法的検討をつうじて明らかにする。 このように、債権者の法的救済手段である追完に代わる損害賠償請求権と債務者の追完の利益との調整原理を探究することをつうじて、契約不適合の追完と契約上の債務の履行との異同といった債務不履行体系上の大きな問題を解明する手がかりを得る。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究期間の3年目は、買主の追完に代わる損害賠償請求権と売主の追完利益との関係について、国際物品売買契約に関する国連条約(CISG)の議論状況をドイツ法を睨みつつ把握することに努めた。文献調査の結果、次のことを把握することができた。 CISGにおいては、ドイツ法と同様、契約に適合しない物品の引渡しを理由とする買主の法的救済手段として、追完請求権、損害賠償請求権、代金減額権、契約解除権が定められているが、ドイツ法とは異なり、追完の催告を先行させることが要件とされていない。その代わりに、一定の要件の下で売主に追完権が認められており、追完権が認められる場合にはその限りで買主の法的救済手段は劣後する。このようにCISGは、売主に追完機会を与える意味で催告期間の設定を買主に義務づけるという方法とは異なり、買主による法的救済手段の主張に対する抗弁として追完権を認めることで、売主に追完期間を与えている。このようなCISGの下では、買主が、追完の催告をすることなく、直ちに契約を解除したり、履行に代わる損害賠償を請求したりすることは、それ自体として妨げられない。 翻って日本の民法の規定をみると、たしかに民法562条1項ただし書は、買主から追完請求を受けた売主が、一定の要件の下で追完の方法についての選択権を有することを定めている。そして、学説のなかには、この規定をもって売主に追完権を認めたものと解するものもある。しかし、この規定は、追完の方法について売主に選択権を認めたにすぎず、買主が追完請求以外の法的救済手段を行使した場合に、売主が追完を主張したとしても、この法的救済手段の行使を阻止することはできない。このように、日本の民法は、CISGと異なる構造をもっているのであるから、CISGの規定およびこれに関する解釈論をわが国の解釈論を直ちに持ち込むことには慎重であるべきである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究のテーマについて、CISGの理論状況を把握することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間の最終年度である4年目は、これまでの研究を通じて得たドイツ法およびCISGの議論状況をさらに分析を進め、わが国における解釈論への示唆を得たいと考えている。その結果を論文にまとめることを最終目標とする。
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