給付理論の再構成――契約総論・各論の統合的研究のために
Project/Area Number |
21K01257
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 05060:Civil law-related
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
山城 一真 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (00453986)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 契約法 / 著作権契約 / 契約各論 / 給付 / フランス契約法 / 民法 / 典型契約論 / 債権 / フランス法 / 債務 |
Outline of Research at the Start |
伝統的な契約法理論においては、給付概念が、債権法・契約法の基礎をなすものと位置づけられてきた。こうした背景を踏まえて、本研究は2つの研究を行う。第1に、諸外国において展開される契約法の基礎理論研究の成果を摂取しつつ、契約法を体系的に理解するために給付概念が重要な意義をもつことを明らかにする。第2に、その成果を踏まえて、日本法のもとでの契約総論・各論上の諸問題を体系的に論じる際に、給付概念がどのような役割を果たすかを考察する。
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Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き、契約の構造をめぐる議論を分析した。主要な内容は、次のとおりである。 第1に、著作権法学会において、「比例報酬原則の契約像」というテーマでの報告を行った。本報告においては、フランス契約法において展開される協働型契約(contrat-cooperation)論を参照しつつ、いわゆる著作権契約における報酬支払の方式として、定額払い方式を採用するか、比例報酬方式を採用するかが、金銭給付の態様を異にするにとどまらず、契約の構造に対しても重要な差異をもたらすことを論じた。協働型契約論については、日本の学説においても既に検討が行われているが、以上の成果は、その基礎理論研究の成果を一つの具体的場面に展開する意味をもつと考えている。 第2に、フランス契約法研究の一環として、契約上の特権(prerogative contractuelle)概念に関する学説史的な考察を行った。その成果として、この概念を濫用(abus)論、権限(pouvoir)論の文脈に位置づけつつ分析する2編の論文を公表した。なお、以上の研究は、契約上の特権概念に関する考察の予備的段階であり、給付概念と並行して、契約の体系化原理を考察するための研究としての意味をもつものと位置づけている。 第3に、日本における賃貸借法制の展開を概観し、その特徴を特別法の展開という観点から捉える研究報告(仏語)を行い、フランスの研究者との間で意見交換を行った。また、これに付随して、フランス側から提出された報告原稿を公表のために翻訳した。ただし、当該報告の翻訳からは、フランス法について注目すべき知見は得られなかった。 *入力にあたり、アクサン記号を省略した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年度内に計画していた研究報告および成果公表を予定どおりに終えることができたことから、上記区分のとおりに評価する。これらによって、給付理論の全体像を考察しつつ、個別の課題についても検討が深められつつあると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
「研究実績の概要」欄に「第1」「第2」として示した研究については、次年度以降にも考察を継続する。具体的には、国内外における基礎理論研究の成果を踏まえ、より一般的・概説的な観点から叙述する論稿を執筆することを計画している。以上のほか、給付概念に関わる個別の課題についても検討を進め、年度内を目途に複数の論稿を執筆することを計画している。
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Report
(2 results)
Research Products
(26 results)
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[Book] 民法の展開と構成2023
Author(s)
原田剛、田中宏治、山口斉昭、松嶋隆弘、石田瞳
Total Pages
728
Publisher
成文堂
ISBN
9784792327927
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[Book] 民法・消費者法理論の展開2022
Author(s)
都筑満雄、白石大、根本尚徳、前田太朗、山城一真
Total Pages
728
Publisher
弘文堂
ISBN
9784335359354
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