区分所有法制のあり方に関する総合的研究-比較法研究の成果を踏まえて-
Project/Area Number |
21K01259
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 05060:Civil law-related
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
鎌野 邦樹 早稲田大学, 法学学術院(法務研究科・法務教育研究センター), 教授 (00204610)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | マンション / 区分所有 / マンション法 / 区分所有法 / 比較法研究 / 区分所有法制の比較 / マンション法制の比較 / 比較法 / 区分所有建物 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、わが国の区分所有法制のあり方に関する総合的研究である。マンションを含む区分所有建物が、区分所有者間の多様な紛争を抱え、また、経年等による建替え等の問題を内包している現況において、それらの課題の解決のためには、区分所有建物の日常的な管理と最終段階での更新(建替え又は建物敷地売却)を連続的に捉え、一つ一つの課題について措置を講ずる必要がある。本研究は、申請者がこれまで行ってきた10数カ国の比較法研究の成果を踏まえて、わが国の区分所有法制について、区分所有建物の管理及び更新を適正かつ円滑に促進するための制度の構築のために、学術的な見地から法的提言を行うものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、区分所有法制について、わが国の問題や紛争の実態および諸外国の立法例やその実態の調査を基礎にして、第一に《区分所有者が、適正かつ円滑に持続可能な形で建物等を共同で管理するためにはどのような制度が必要か》という「問い」を発し、第二に、第一の「問い」と連関するものとして、建物の物理的ないし社会的寿命を前提に《区分所有建物を適正かつ円滑に「更新」ないし「終了」させるためにはどのような制度が必要か》という「問い」を発し、それらを解明し、2つの「問い」について、個別具体的に、また、総合的に解答を示そうとするものである。上記2つの「問い」に答えるために、本年度は、以下の①および②の調査研究等を実施した。 ①2022年10月より、法務省法制審議会「区分所有法制部会」において、ほぼ月1回のペ-スで区分所有法改正の審議が行われ、また、国土交通省の「今後のマンションの在り方に関する検討会」において、ほぼ同じペ-スでマンションの抱える課題及び政策の在り方についての検討が行われている。私は、上の審議会・検討会(主要な審議内容は、ア.適正な管理、イ.適正な再生、及びウ.被災区分所有建物の復興の在り方である。)に参加し、上記2つの「問い」の観点から、また、本研究調査の成果を踏まえて、学術的見地から発言ないし提言をしている。 ②前年度に抽出した課題および上記審議会・検討会での審議内容および論点を踏まえて、国内外の10名程度の研究者(海外の研究者としては韓国・朝鮮大学のカン・ショクシン教授等)の参加を得て、合計5回のオンラインでの研究会(各回4時間程度)開催した。そこでは、①のア~ウに関する各論点について、比較法の観点および日本の実態を踏まえて活発な議論をした。また、1月7日および3月4日には、早稲田大学において対面にて、弁護士等の法曹および建築家等の参加を得て、様々な観点から、議論を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
理由 当初予定していた海外調査については、コロナウィルス感染症の蔓延のため実施できなかったが、第一は、私が、本研究調査のテ-マに関する立法および政策の実現に直接に大きくかかわることができる、前記「研究実績の概要」①で述べた法務省と国土交通省の審議会・検討会に委員として参加の機会を得たこと、第二は、上記②で述べたように、海外の研究者も含めてリアルで議論ができるオンライン会議システムを活用することによって、①で審議・検討されている各課題および各論点も含む多くの問題について意見交換ができたこと、第三に、②で述べた対面での研究会において、今後のマンションの在り方に関して、私が日本を代表する高名な建築家との間で今日のマンション問題の根本について対談をし、議論することができたこと、それに加え、多くの分野の専門家と意見交換ができたことが、「当初の計画以上に進展している」と評価できる理由である。なお、これらの研究の成果については、下記の研究発表欄に記載した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、本研究の最終年度にあたるため、次の①、②の2つの調査研究を予定している。 ①8月30日~9月12日にフランスおよびドイツにおいて、主としてマンション管理の実態をついて、国内外の研究者の協力を得て、管理組合や管理会社に対するヒアリング等による調査を行う。なお、同調査においては、本研究テ-マに関し、フランスについては、吉井啓子・明治大学法学部教授に協力を得(そのための東京・パリ間の往復航空運賃を本科研補助費から支出)、ドイツについては、藤巻梓(国士舘大学法学部教授)およびホイブライン教授(オ-ストリア・インスブルック大学教授)の協力を得るもの(承諾済み)とし、藤巻教授においては、本調査研究テ-マに係る事前調査を9月2日~9月5日および補充事後調査を9月8日~9月9日に実施するものとした(そのため藤巻教授の東京・ベルリン間の往復航空運賃を本科研補助費から支)。 ②上記①の海外調査を含む本調査研究を踏まえて、学術的観点から、前記の法務省法制審議会における区分所有法の改正に関し、立法提言および改正法に関する立法評価(法施行後の課題も含む。)を行い、また、国土交通省所管のマンションに関する法律および政策の在り方について提言をする。 以上①および②の研究成果については、公刊する。
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Report
(2 results)
Research Products
(19 results)