Project/Area Number |
21K01283
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 05070:New fields of law-related
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
安藤 和宏 東洋大学, 法学部, 教授 (00548159)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 著作権契約法 / 復帰権制度 / 終了権制度 / バリューギャップ / ベストセラー条項 / 比例報酬原則 / 透明性義務 / 相当報酬請求権 / デジタル単一市場における著作権指令 |
Outline of Research at the Start |
第一に、著作権契約法の導入に関する正当化根拠論を対象とした理論的考察を行い、著作権契約法の基礎理論を構築する。次に著作権契約法に関する諸外国の法制度と運用状況の調査・分析を行う。特に2019年6月7日に発効したEUのデジタル単一市場における著作権指令の立法過程および当該指令に基づくEU加盟国の立法状況を調査・分析する。最後に、これらの考察に基づき、著作権法の目的である文化の発展に寄与するための最適な法制度の提言を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度においては、前年度に引き続き、著作権契約法の導入に関する正当化根拠論を対象とした理論的考察を行い、5月21日(土)に開催された著作権法学会における「著作権法における契約法」をテーマにしたシンポジウムで、報告書およびパネリストとして登壇し、「米国における終了権制度」と題した講演を行い、著作権法における契約法についてほかの登壇者とともに討論を行った。 また、著作権契約法に関する諸外国の法制度と運用状況の調査・分析を実施し、その成果として、カナダ著作権法における復帰権制度については、論文「カナダ著作権法における復帰権制度に関する一考察」として発表した。カナダ著作権法における復帰権制度はこれまで日本ではほとんど紹介されてこなかったため、この分野において一定の意義を有するものと考える。 さらに、プロデューサーと実演家の収入格差の問題(バリューギャップ)を解消するために各国で新たに導入されている報酬請求権(許諾権の譲渡後に権利者に報酬請求権が残るという権利)等を紹介し、一定の解決策を示唆した論文「Legal Issue on Value Gap between Record Labels and Artists in Music Streaming Business」を台湾の「月旦律評」(2023年4月発行予定)に寄稿した。 さらに、アニメビジネスおよぶコンサートビジネスにおける契約実態について、調査・研究を実施し、その成果として、論文「Current Situation and Issues of the Anime Business in Japan」と論文「Current Situation and Issues of the Concert Business in Japan」を法律雑誌「Patent & Licensing」において発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年5月21日(土)に開催された著作権法学会における「著作権法における契約法」をテーマにしたシンポジウムで、これまでの調査・研究の成果を個別報告し、また登壇者として参加したパネルディスカッションでは多くの解決すべき問題を指摘し、それに対する有効的かつ実施可能な解決策を提示した。専門家が一堂に会する著作権法学会において、問題提起とあるべき法制度を提案できたことは、大きな意義を持つと考える。 また、著作権契約法に関する外国の法制度とその運用状況について、これまで誰も紹介してこなかったカナダ著作権法における復帰権制度に関する論文を発表するとともに、プロデューサーと実演家の収入格差の問題(バリューギャップ)とその解決策を台湾の法律雑誌「月旦律評」に中国語で発表の機会を得られたことは、一定の意義を有すると考える。さらに、アニメビジネスおよびコンサートビジネスにおける著作権契約法の問題点を英語論文で公表できたことは、日本の現状を海外に広く紹介するという意味においても、重要な意義を持つと考える。 なお、申請者は2022年9月から2023年8月まで台湾大学にて在外研究を実施している。台湾の知的財産法の研究者と交流を深め、この問題について、情報交換や意見交換を活発に実施している。また、このテーマで2022年10月11日に台北の国立政治大学にて、12月17日に台南の国立成功大学にて、2023月3月13日に嘉義の国立中正大学にて、講演を行った。 以上のように、現在までの進捗状況については、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
EUのデジタル単一市場における著作権指令(DSM指令)の国内法制化が進んでいるため、令和5年度はその動向を調査・研究し、研究実績として発表する予定である。特にスペインで2006年に導入された報酬請求権(residual remuneration right)は、2022年6月にベルギーでも導入されており、注目すべき法的枠組みと言えるため、令和5年度はこの権利に着目して、調査・研究を実施したい。この制度はイギリスでもBrennan議員が改正法として提出しているため、2023年6月にイギリスに海外出張して、現地で実態調査を実施し、報告書をまとめたい。 また、2023年5月30日にイギリスの研究者であるMarc Mimler(シティ大学)とEnrico Bonadio(シティ大学)、明治大学の今村哲也教授とゲームビジネスにおける契約問題に関する研究会を実施する予定である。 さらに、2023年8月にエンターテイメント・ビジネスにおける法律問題を概説した『エンターテイメント法』という単行本を元照出版社から中国語で発行する予定である(原語は英語、翻訳は林佳瑩弁護士)。なお、台湾大学での在外研究の研究実績は帰国後、紀要「東洋法学」にて発表する予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)