Project/Area Number |
21K01337
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 06010:Politics-related
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Research Institution | Hokkaido University (2022-2023) Nanzan University (2021) |
Principal Investigator |
中村 督 北海道大学, 法学研究科, 教授 (50644316)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | フランス現代史 / フランス政治史 / ジャーナリズム史 / キリスト教民主主義 / フランス史 / 政治史 / メディア史 / 知識人史 / 戦後フランス / フランス |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、戦後フランスにおいて情報秩序が再構築されていった過程を分析することにある。解放期の情報秩序構想は、今日のフランス・メディアに関する問題や現象(メディア企業の集中化現象や政府の介入主義的性格など)の起点として言及されることが多いが、その中心的役割を担った情報省の実態は未解明のままである。そこで本研究は、情報省がどのように理念を彫琢し、内外組織の関係を発展させていったのかを明らかにし、ひいては、それらがどのように戦後の情報に関する政策形成や政府とメディアの関係に影響を及ぼしたのかを考察する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、解放期の情報省の分析を通じて、第二次世界大戦後のフランスにおいて情報に関する政策が再建されていく過程を再検討することにある。とりわけ一次資料に基づいて、新聞・雑誌を中心とした改革案がどのように起草され、採用されていくのかを考察する。 本研究3年目に当たる令和5年度は、解放期を経て、戦後、情報に関する政策がどのように構想され、実現していったのかを分析した。とくに1970年代までの時代を射程に入れて、新聞・雑誌だけではなく、テレビやラジオについての政策も押さえるべくフランス放送協会にも焦点を当てて研究を進めた。昨年度に続いて、今年度も12月にフランスで資料調査を遂行することができたため、資料収集に関しても成果があった。 具体的な研究実績の概要は以下のとおりである。第一に、『ル・モンド』の創刊事情を分析した。フランスを代表するこの日刊紙は、ド・ゴールの要請に応じて創刊されたことが知られている。その点、情報相ピエール=アンリ・ティジャンや創刊者ユベール・ブーヴ=メリーがどのような関係にあったのかを分析した。1951年の『ル・モンド』の危機は戦後ジャーナリズム史上の重要なポイントであることがわかったので、引き続き、理解を深めていきたい。第二に、フランスシスク・ゲイの思想を分析した。キリスト教民主主義の代表格であるこの人物は、情報政策でも中心的な役割を果たしたが、彼の思想が大戦間期にどのように形成されたのかを検討した(ただし、彼の著作群は膨大なため限定的にしか検討できていない)。第三は、1960年代から70年代にかけて社会的・政治的文脈のなかで「情報」が持っていた意味の変容を分析した。 以上の研究実績は、部分的に、著作(共著)や論文といったかたちで公表したほか、学会および研究会などで報告した。そのほかの成果は次年度以降に公表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の進捗状況は課題の性格上、下記3つに大別することができる。すなわち(1)資料調査(文献および資料の収集・分析)、(2)国内外での意見交換、(3)研究成果の公表である。 (1)資料調査(文献および資料の収集・分析):本年度も、フランスの各種文書間で資料調査を行うことができた。それに応じて次年度以降、研究目的の趣意に沿って分析できる準備ができた。ただ、研究を進めるなかで、追加で必要な文献や資料が多く出てきたため、今後も継続して調査を行なう必要がある。 (2)国内外での意見交換:本研究課題について国内外の研究者と意見交換をすることができた。とくに学会および研究会での発表を通じて今後の指針に資する助言を多く得ることができた。 (3)研究成果の公表:当該研究課題の成果については、計画よりはやや遅れているが、ある程度、研究の論点も深化させることができている。必要な資料の大半は収集したので、次年度以降、それらを分析し、成果を公表できる状況は整備できたように思われる。 このように、全体としては課題を残しているものの、「おおむね順調に進展している」という評価が妥当だと判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策も、以上に応じて、下記3つに大別することができる。すなわち(1)資料調査(文献および資料の収集・分析)、(2)国内外での意見交換、(3)研究成果の公表である。 (1)資料調査(文献および資料の収集・分析):上述のように、令和5年度は、予定どおりフランスの各種文書館で資料調査を行うことができた。ただし、上述のように、研究を進めるなかで、追加で必要な文献や資料が多く出てきたため、次年度も、現地での資料調査を行うことにする。 (2)国内外での意見交換:これまでと同様、積極的に学会や研究会に参加することで、多くの研究者と意見交換を行う。 (3)研究成果の公表:これまで行ってきた研究成果にくわえ、新たに収集した資料の分析を進め、論文や著作のかたちで充実した研究成果を公表できるように努める。
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Report
(3 results)
Research Products
(12 results)